「監察医 朝顔」で月9に帰ってきた上野樹里 好スタートの陰で「ズルい!」の声

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5作連続初回二桁の月9ドラマ

「『のだめ』色は全くありませんね。初回冒頭からBGMも使わず、おちゃらけにはしない固い意志を感じました。上野の父には時任三郎、彼氏役には風間俊介という実直な役者や、中尾明慶や板尾創路、柄本明、三宅弘城など芸達者も揃えて、ヒューマンな物語に仕上げています。初回は大人しすぎると思われるほどでしたが、面白くじっくりと見ることができました。視聴率の良さも納得がいきます」(同)

 月9はここ1年、ようやく復活の兆しを見せてきた。18年1月期の「海月姫」で平均視聴率6・1%という史上ワースト記録を出したのが、18年7月期から5作連続で初回視聴率は2桁となっている。「朝顔」は前作「ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート〜」の初回12・7%を1・0ポイント上回った。

「だけどね、ちょっとNHKの朝ドラから引っ張ってきすぎじゃないのかなあ。『ちょっとズルい!』と言われてますよ」

 確かに、放送中の「なつぞら」の北海道編でのイケメン吉沢亮の父を演じた戸次重幸は、時任の上司役。ヒロインなつ(広瀬すず)が暮らしているおでん屋の女将で元ダンサーの山口智子は、上野の上司として出演している。

「山口さんは月9出演が『ロングバケーション』以来の23年ぶりだそうですけど、あのサバナサバした主任教授は、『なつぞら』の女将キャラとほとんど一緒ですね。まあ彼女はそういった役どころが多いのですが……。それよりも初回で亡くなって監察に回されることとなったお母さんの娘役です。『なつぞら』でヒロインの少女時代を演じて絶賛され、第2の芦田愛菜との呼び声も高い粟野咲莉ちゃんでした。放送中のドラマから3人も引っ張ってきた力業にはビックリですよ。スタッフを見てみると、ディレクターの平野眞さんや澤田鎌作さんはベテランです。上野の母親役には『あすなろ白書』以来の26年ぶりの月9という石田ひかりをもってくるなど、抜かりない。1話には出てきませんでしたが、演技派の志田未来もレギュラーということなので、今後も楽しみです」(同)

 1話完結のドラマだが、同時に東日本大震災で母(石田)が行方不明になったままというストーリーも描かれる。

「原作の同名マンガでは阪神淡路大震災ですが、設定を変更しています。上野演じるヒロイン朝顔は、一緒に母の実家を訪ねて被災し、いまもトラウマになっていることが初回で描かれた。あれからもう8年。被災地の復興を風化させないためにもいいことだと思います。だからこそ今回は、おちゃらけた演技は求められていないのでしょう」(同)

 上野にとっては大河「江~姫たちの戦国~」からも8年となる。これで、あの汚名も払拭できるか。

週刊新潮WEB取材班

2019年7月14日掲載

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