87歳「野末陳平」が参院選に出馬、不整脈、血圧上昇でも30年ぶりに立候補した理由

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『チン・チン・ルンバ』

 日頃、親しくしている出版社の一室を借り、選挙事務所を構えた野末氏。選挙運動は、ちょっと変わっている。

「選挙運動方針を決めました。選挙カーは1台用意しましたが、まず、名前は連呼しない。街を騒がせるウグイス嬢はうるさいですからね。それから、ビラは配らない。握手はしない。また、街頭演説よりも、10人くらいの少人数と対話を行う。普通の選挙事務所は、多人数で朝7時から夜11時まで働くブラック体質ですが、そんなのは時代に逆行していますから、うちは朝10時から夕方6時までの勤務で、スタッフは運転手も含め6人だけとなっています。日曜日は、スタッフは不在で、選挙カー中心になります。選挙カーは、僕のテーマ曲の通称『チン・チン・ルンバ』を流し、看板を見てもらう。交差点などで止まっているときは、僕を紹介する言葉をひとこと言ってもらうことにしています」

 野末氏のテーマ曲は、“チンチンチン、ルパッパルバルバ、チンチンチン、ルパッパル~”という軽快なルンバだ。

 野末氏も夕方、通勤通学の人たちが多い時間帯に2時間ほど選挙カーに乗るということだが、なにしろ87歳、健康面で不安はないのか。

「不整脈があるので、医者から、マラソンのような激しい運動はするなと警告されています。出馬を決めてから、日ごとに血圧が高くなってきました。150を超えたのですが、それ以来、もう血圧は測っていません。200近くあるんじゃないかと思えたときもありました。じゃんじゃん上がってきていますよ(笑)」

 これで2週間の選挙運動を戦い抜けるのだろうか。

「80代というと、交通事故を起こして世間から冷たい目で見られています。悪者扱いで、端っこに引っ込んでいる。もう一度、うるさい高齢者として表舞台に立ってみたいですね」

週刊新潮WEB取材班

2019年7月10日掲載

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