TBS「安住アナ」の二階級特進人事、独立阻止だけじゃないもうひとつの狙い

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TBSとNHKとの違い

安住:私はここの放送局のステーションアナウンサーという立場なので、普段は他の放送局では仕事をしないんですけども。やっぱり、文化といいますかね、それぞれの放送局でのやり方が違って。また私、もう勤めて20年ぐらい経ちますので、自分のところ以外を知らない。さらには頑なになってるというところもありまして、柔軟性がもうないという、そういう状況で、またそういうやり方になりますとね、ギクシャクしてしまうというところもあります。いろいろと知らないことがいっぱいありましたですねぇ。

中澤:へー!

安住:いちばん決定的に違うのは、私たちは本番前の話し合いのことを「打ち合わせ」って言うんですけども、NHK様は「打ち合わせ」とは言わないですね。NHK様は「打ち込み」って言うんですね。

中澤:へー!

安住:「あらっ!」って思いましたね。「ちょっと今日の内容について打ち込んでもいいですか?」って言われましてですね。「なーんか、打つんですね?」って思いましたけども。「じゃあ、ちょっと一緒に打ち込みましょう」って言いましたけども。「何を打ち込むのかな?」って思ったんですけども。「なんかデータかなんかを打ち込むのか?」と思ったんですけども。まあ、でも「データを打ち込む」とかって言ったりしますもんね。だから「『出演者に情報を打ち込む』っていうことでいいのかな?」っていうことで。「もう、バンバン打ち込んでください!」って思いましたけどね。「打ち合わせ」っていうのを「打ち込む」って言うんですね。

中澤:へー!

安住:なるほど!っていう。

中澤:初めて知った!

安住:ねえ。あとは、みなさん知っているかどうかわかりませんけども、アシスタントディレクター(AD)って民放にはたくさんいるんですよね。まあ、ひとつの番組の中で、テレビだとADさんがまず30人ぐらいいるところもありますね。で、まあ“なんも屋”っていうか、いちばん組織の中ではフレキシブルに働いて、いろんな人から頼まれてっていう“なんでも屋さん”ですけど。NHKにはADさんがいないんですよね。これもびっくりです。

中澤:ああ、そうですか。

安住:全員がディレクターっていうか、監督なんですね。なので、民放とかだとたぶん――まあ、私が勤めている放送局しか知りませんけども――普通はディレクターの下にADが4人ぐらい付いていて、そのディレクターが現場監督になって、4人に仕事を振って指示して、そして、ひとつの番組を作り上げていくっていうことで。大変なリハーサルとか本番当日になりますと、その1人のディレクターがさらに他の2人のディレクターぐらいを引き連れて、その下に30人ぐらいのADさんを引き連れて、ザーッとブルドーザー的にやるみたいなことなんですが。なのでNHKさんはADさんがいないので、ディレクターが全部1人でやる。そのかわりディレクターがたくさんいて、まあ2ヶ月に1回ぐらい自分のオンエアーがあるみたいなことのようですね。

中澤:頻度が少ない?

安住:頻度が少ない。ただ、自分1人で全部やるので、要は自分の仕事として最後までやる。作品みたいなことで出すんだろうね、きっとね。民放はね、共同作業でやるから。て、ところがね、すごく変わっていましたね。

中澤:へー!

安住:だから、担当のディレクターが、私を迎えに来てくれて、私のお弁当を買ってくれて、私の降りる先をドライバーさんに指示して、私に打ち込んでくれて、現場でカメラマンに今日の内容を指示して、そして私に指示して、取材先にお礼をして、私を車に乗せて、俺を送ってくれるみたいな。そうですね。たぶん民放でやると、そのディレクターから指示をされたADさんが私を迎えに来て、違うADさんがお弁当を買っていて、そして現場にも違うADさんがいて、その車の降りるところを指示してくれて……みたいに分業されているわけですね。だから「ああ、なるほどな」って思って。

中澤:そうでしたかぁ……。

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