広島4連覇危うし 観客動員数は好調でも、消えたマツダスタジアムの“神通力”

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ビジターファンを冷遇した呪いか?

 もうひとつ、マツダスタジアムで近年、少なからず問題になっているのが、ビジターパフォーマンス席のあり方だ。マツダスタジアムの観客席では、いわゆる鳴り物を使用する応援団は、スタンド上段の限られたスペースにしか入ることができない。パフォーマンスシートと呼ばれるそのエリアは、ライト上段がカープサイドで、三塁側上段が相手チームサイドとなり、そのエリアはビジターパフォーマンスシートと呼ばれる。

 そのビジターパフォーマンスシート、通称「ビジパフォ」と呼ばれるエリアで最初の事件が起こったのが2015年。球団は5月のDeNA戦で、東京発の新幹線と観戦チケットをセットで販売し、遠方のカープファンを球場に招くイベントを開催した。その際の指定席として使用されたのがビジパフォのエリアで、当初は全席カープファンで埋める予定が、行き場を無くしたDeNAファンから苦情を受け、ビジタ―チーム用のエリアとして300席のみを販売した経緯があった。

 この騒動を一部メディアが「ビジパフォの呪い」と名付け、半ば都市伝説のように語られている。さらに2018年からはこのエリアは、巨人、阪神戦を除いて半分に分割された。スタンドの半分がカープサイドに解放され、通路ひとつを挟んだ両サイドの境目では、両チームのファンによるいざこざも少なからず起こっている。

 この「ビジパフォの呪い」。近年ではつまらない都市伝説と笑えない状況となっている。リーグ2連覇を達成した2017年には、8月の横浜スタジアムで3試合連続サヨナラ負けを喫するなど、DeNAにはセの球団では唯一の負け越しで完全優勝を逃した。さらに、クライマックスシリーズ・ファイナルではまさかの4連敗で日本シリーズ進出も阻まれた。DeNAには昨年も横浜スタジアムで8月に満塁弾を含む3者連続本塁打で逆転負けを喫するなど、ショッキングな負け方が続いている。

 今季も交流戦終了後、6月28日からの横浜スタジアムでの3連戦に0勝2敗1分。2連敗の後、3戦目は9回2死までのリードを守れず、引き分けとなった。昨年も交流戦は7勝11敗で10位と苦戦したが、リーグ戦再開後の阪神、巨人との6連戦に全勝し、そのままの勢いでリーグ優勝につなげた。今季はセ・リーグ相手に戻っても連敗スタートで、地元に戻って今季最多の3万2185人を動員した7月2日のヤクルト戦も1対3で完敗した。最近は、試合後のコメントがめっきり減ってしまった緒方孝市監督も「地元でこれだけ声援をもらえて力になっている」とファンを気遣ったが、果たして打開策は見つかるのか……。

 オールスター後、ペナントレースの行方を決める後半戦は横浜スタジアムでの3連戦からスタートする。そしてマツダスタジアムでの残り試合は31試合。ここでの勝率が、セ・リーグではV9巨人以来となるリーグ4連覇を左右することは間違いない。

週刊新潮WEB取材班

2019年7月5日掲載

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