TBS「サンデーモーニング」が“シニア層とシルバー層”から圧倒的に支持される理由

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ネックは若い視聴者

 さて、核となる視聴者層の年代に合わせているのか、「サンモニ」は高齢の出演者が目立つ。関口が75歳なのをはじめ、スポーツコーナー「週刊御意見番」を仕切る野球評論家・張本勲さんも78歳。コメンテーター陣も日本総研会長の寺島実郎氏が71歳、元衆院議員の田中秀征氏が78歳、造園家の涌井雅之氏は先に書いたとおり73歳。カメラマンの浅井慎平氏も同じく81歳だ。

 人生を知り尽くした顔ぶれが現在の視聴者層には合っているのだろう。ただし、ここ1、2年でスポンサーと広告代理店は個人視聴率を重視する考えを強めている。若い視聴者が見る番組のCMには高値が付くが、シニア層、シルバー層に支えられている番組のCMは売りにくくなっている。スポンサーには若い視聴者の購買意欲の強さが魅力なのだ。

 今、公表されている視聴率は世帯単位で計測されたもの。その数字が新聞や雑誌に掲載されている。この記事に書いた「サンモニ」と「笑点」の視聴率もそう。だが、近い将来には個人視聴率が番組の人気度を表す物差しになる。

「日本テレビは今年に入ってから、はっきりと『これからは個人視聴率重視』と社内通達しています。他局も後を追うのは間違いありません。いくら視聴率が良くたって、若い視聴者が見てくれる番組でないと、CMが売れないのですから。個人視聴率の時代が到来すると、『サンモニ』は厳しいでしょう」(同民放プロデューサー)

 この言葉どおり、既に日テレは若い視聴者を意識した番組づくりを始めている。「サンモニ」と同じ時間帯の情報番組「シューイチ」も明らかにミドル層以下の視聴者を意識している。タレントの中山秀征(51)と女優の片瀬那奈(37)がキャスターを務めているほか、ジャニーズ・アイドルであるKAT-TUNの中丸雄一(35)をコメンテーターに起用しているのだから。

「シューイチ」は硬派ネタが中心の「サンモニ」とは違って、エンタメ情報やレジャー情報も扱っている。反権力的な臭いは微塵もない。その結果、若い視聴者の取り込みに成功し、通常の視聴率のほうでも2桁の好成績を記録することが少なくない。

「『シューイチ』のCMの売上高は、『サンモニ』と同等以上でしょう」(前出の民放プロデューサー)

 「サンモニ」は個人視聴率の時代になったら、どう軌道修正するのだろう。それとも、あくまで現在のスタイルを貫くのか。

週刊新潮WEB取材班

2019年6月23日掲載

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