反安倍で先鋭化「前川喜平氏」、安倍さんは元号も私物化したので私は令和を使わない!

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あいつが嫌いなんだーっ!

前川:安倍政権はこれまで何度となく、あったことをなかったことにしてきているんですね。モリカケもそう、統計不正もそうですし、いろんなことで、あったことをなかったことにしてしまって、そのまま「なかったのね」と国民が忘れてくれることを待っている。これを繰り返して、しかも上手くいっているんですね。一時的に支持率が下がっても、また上がってくるという成功体験を積み重ねている。そのために、今度も(麻生大臣が)受け取らないことで、なかったことになると思っている。だけど、金融庁の報告書は全国民が読んじゃったんですよ。それを「受け取らないから議論する必要はない」というのは、全く理屈になってない。あの報告書はむしろ、きちんと専門家が集まって議論した結果だし、結論として「年金をもっと払えるようにしましょう」ではなくて、「年金は払えないんだから自前でなんとかしなさい」という結論の部分については異論があると思いますけど、分析については極めて正確に行われていると思いますよ。それをなかったことにするというのは、いくらなんでもできないと思います。

――この問題について官邸はどうだったのか、望月記者に質問が及ぶと、いつものように“いかに質問がブチ切られるか”という話に。面白かったのはこの部分である。

望月:(質問妨害が)騒がれ始めているので、さすがに菅さんの秘書さんであるとか番記者の方々等々も、「さすがにこれだけ注目されている中で、望月さんだけ質問を遮るのは、いい年をした菅さんが年下の女性をいじめているようにしか見えません。これは菅さんのイメージにも良くないからやめたほうがいいですよ」と、いろんな方がいろんな形で助言してくれたそうなんです。すると菅さんは、「いや、俺は、俺は、あいつが、あいつが、キラいなんだーっ!」……。

――ホントか? そこまで嫌っているから、長い質問も遮りたくなるのかも。そして話題は記者クラブと政権との関係に。

前川:(佐藤栄作の辞任会見で新聞記者が全て出ていった例を挙げ)、ああいうことっていまはもう起こらないだろうなと思います。そもそも総理が辞任しないんだけど。少なくとも、読売新聞は絶対できませんよ。映画にもあったでしょ、ある文部官僚の無理やり作ったスキャンダルが、どの版にも同じ場所に出て来る。あれは2017年5月22日の読売新聞ですよ。自分のことですから、私は忘れません。読売新聞はもう安倍さんのプロパガンダ紙になっちゃってる。私はあれから読売新聞は新聞だと思ってないし、メディアとも思ってません。最近はNHKも、そんなところがある。(ここで会場から大きな拍手)

――評判悪いぞ、NHK。ここで司会が、このところ総理の会見が減っていること、今年最初の会見が令和の発表(4月1日)だったことに触れる。

前川:私は今年の5月から元号は使わないことにしているんです。(大拍手)。私の率直な感想は、安倍さんはついに元号まで私物化した。これは朝日新聞なんかが詳細に記事にしていますけれども、最初の案が全部気に入らない、「国書を典拠にしろ」ということで令和になったと。とにかく安倍首相のお気に入りの元号に決まったということだと思います。この令和というのは、外務省が各国に通知した公定訳ではBeautiful Harmonyとなっています。でも中西晋さんが「文藝春秋」に書いているのを読むと、和という文字は平和という意味とヤマトという意味がある。戦艦大和のヤマトだし、そもそも“日本”という意味なんです。私の解釈は、令和というのはBeautiful Japan、安倍さんが常日頃言っている“美しい国ニッポン”を表している。“美しい国”という言葉は、戦前の国体思想をベースにしている。悠久の歴史の中で、天照大神を先祖とする天皇の下で、この国は統合体として何千年も続いてきたという国体思想です。国体思想を信奉している人は、よく“国柄”という言葉を使います。櫻井よしこさんとか。国体護持を謳っているんだなと解釈しました。安倍さんの支持基盤の日本会議というのは、戦前の道徳、教育勅語を復活させようと、ホントに思っていますからね。このまま放っておくと、学校教育に入ってくるわけですから。ですから令和は使わない。私は来年になったら平成32年、ウソです、西暦で一本化していきます。

司会:テレビなどで、令和一色の報道がずっと続いていた時どうされていたんですか。

前川:見なかったですよ、不愉快ですよ。令和万歳みたいな、何か新しい時代になったみたいにね。新しい時代になんてなってない、4月30日から5月1日になっただけなんですから。安倍さんが変わったら新しい時代になるかもしれないけど、安倍さんがいる限りは同じ安倍政権なんですから。(拍手)

――昨年より、かなり過激になっているようだ。ここで望月記者から、菅官房長官が“令和”の額を上げた時のエピソードが披露される。

望月:実はボタンをポチッと押して令和と出すなんて案もあったんだけど、菅さんは「やっぱり、めくり挙げるのがいいんだよ。だけどその時に見えちゃうとマズいから、前夜に一生懸命、練習したんだよ」。すると番記者が「でもちょっとだけ見えてましたよ」。「え? 見えてた?」なんてやりとりが、「週刊文春」に載っちゃったんですよ。これを見て菅さんが大激怒。「お前らが週刊誌に流したんだろう。二度とお前らにはオフレコ懇はやらない!」と言い出したものだから、菅さんの番記者さんたちは「二度と情報を流したりしません。ICレコーダーと携帯を紙袋に入れますから」と録音していないことを示した上で、お話を聞かせてもらっているわけです。

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