私はこうして「ひきこもり地獄」から脱却した――“生還者”が明かす実体験

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 トイレ支配から親支配へ。「負のスパイラル」を辿るひきこもり地獄からの脱却は容易なことではない。ならば、ひきこもり生活からの「生還者」の実体験に耳を傾けてみるしかあるまい。

「32歳までの10年間、私はひきこもっていました」

 こう振り返るのは、「ひきこもり新聞」編集長の木村ナオヒロ氏(35)だ。

「大学卒業後、弁護士を目指し、外界を遮断して勉強していたせいか鬱状態に。そんな私を見かねて警察を連れてきた親と大喧嘩したこともありました。私は自分のことをひきこもりだとは思っていなかったんです。だから、なんてひどいことをするんだと親に腹が立った。結果的に専門家の本に出会ったことで、自分はひきこもりなんだ、このままじゃまずいと気付くことができましたが……」

 自覚さえないひきこもりがいるのだから、そこから抜け出すのは至難の業であることがよく分かる。

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