NHK「レンタル家族」やらせ騒動 元スタッフが明かす「依頼者を演じたのは私」

エンタメ週刊新潮 2019年6月6日号掲載

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石井社長とは何者か

 なぜ、これほどまでにメディアが興味を持つのか。

 重宝される「レンタル家族」が現代日本の世相として面白いのだろう。あるいはそれを利用する人々の虚栄心を覗き見したい心理や、“他人の不幸は蜜の味”といった感情が働くからか。

 石井社長はそれを、注目を集めるビジネスに育て上げた。彼がいかなる人物なのかを、先の「クーリエ・ジャポン」から引くと、

〈東京都生まれで、千葉県の沿岸部で育った。父親は青果商で、母親は水泳教室のインストラクターだった。(中略)20歳のときに芸能事務所にスカウトされ、モデルや映画エキストラの仕事を何度かした経験もある。普段の仕事は高齢者の介護〉

 そんな彼は、シングルマザーの友人から悩みを相談されたことで“代行業”のきっかけを掴む。彼女の子どもの幼稚園の面接試験で父親役を演じたが、失敗。彼は、悔やんだ。このような役割のプロフェッショナルを提供できないか――。そう思い至った彼は、紆余曲折の末、2009年に「ファミリーロマンス」を立ち上げる。すると数年で軌道に乗り、スポットライトを浴びるまでになったのだ。

 しかし、浴びる脚光が眩(まばゆ)いほど、影も濃くなる。「レンタル家族」を扱ったドキュメンタリー番組には、決して表沙汰になってはならない“影”が存在していた。

 依頼する客として番組に出ていた人物が、実は、「ファミリーロマンス」の代行スタッフだったのである。

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