「米ドラ1」スチュワートをソフトバンクに入団させた銭ゲバ代理人

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 日米球界に衝撃が走った。

 2018年の米国ドラフトで1巡目指名されたカーター・スチュワート投手(19)が、大リーグに進まずソフトバンクに入団することが決まった。6年7億7千万円の契約だという。

 田澤純一(現カブス傘下所属)ら日本アマ球界から直接大リーグに行った選手はぼちぼちいるが、米アマからプロ野球は極めて異例。しかも前年の“ドラ1”なんて前代未聞だ。

 仰天の出来事はなぜ起きたのか。

「筋書きを作ったのは、スチュワートの代理人、スコット・ボラス氏です」

 と大手紙大リーグ担当記者が語る。ボラス氏といえば米球界きっての銭ゲバ、もとい辣腕代理人として知られ、古くは06年に60億円で契約した松坂大輔、最近ではマリナーズ・菊池雄星の代理人を務めているが、

「最近、彼を悩ませているのが、16年末に締結された大リーグ労使協定。新人や若手選手の年俸を大幅に抑制する制度です」

 日本ハム時代に年俸3億円近くに達していた大谷翔平が、現在エンゼルスで7千万円しか貰えないのもこの制度のせいである。

 そこでボラス氏は、一計を案じた。古傷が発覚して指名球団との契約交渉が決裂したスチュワートに目をつけたのだ。

「彼を日本球界に送り込めば、大リーグの限度額以上の契約が見込める。そして制約が外れる26歳になったら大リーグに鞍替えさせて巨額契約に持ち込もうというわけ。加えて、協定を廃止させるべく世論喚起することも狙っています」

 事実、米国では、彼の目論見通り、“人材流出の危機”“そもそも自由経済に反する”など協定への批判が沸き上がっているのだ。

 一方、ボラス氏の奸計に利用されているように見えるソフトバンクはどうか。プロ経験のない高卒同然の新人に8億円近くも費やして大丈夫なのか。

「物見遊山で来日する落ち目の助っ人と違い、6年後に自分を高く売りたいスチュワートは必死にプレーするはず。億単位の年俸を払ってもポンコツの外人も多いから案外掘出し物かも」

 お手並み拝見。

週刊新潮 2019年6月6日号掲載

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