安倍総理「改憲」の本気度が今一つ伝わってこない、これだけの理由

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 日に日に勢いを増す永田町の“解散風”。

 今月17日には、会見で、〈内閣不信任決議案が衆院解散の大義になるか〉と問われた菅義偉官房長官が、

〈当然なるのではないか〉と回答。通常国会の会期末に内閣総理大臣の不信任決議案を提出するのが慣例となっている野党を刺激したのは、ご存知の通りである。

 政治部記者によれば、

「不信任決議を解散の口実に使うというのは、以前から官邸筋では取り沙汰されていたんです。実際、会見では、唐突に件(くだん)の質問がありましたが、質問したのは菅さん旧知の記者。つまり、事前に練られた策略だったということです」

 もっとも、仮に不信任決議により解散に踏み切ったとしても、それは“きっかけ”に過ぎず“大義”にはなり得ない。そこで、

「争点に浮上したのが“改憲”だというワケです。党の憲法改正推進本部長の下村さん(博文代議士)からも各派閥に対して、憲法の勉強会を開くよう要請があり、突如として現実味を帯び始めた」(同)

 しかし、安倍総理からは、改憲への本気度が今一つ伝わってこないと言うのは別の記者で、

「例えば、改憲のための国民投票法改正に取り組む衆院の憲法審査会は紛糾。それも当然で、今の憲法審の自民党メンバーには、会長の森英介衆院議員を始めゴリゴリの改憲論者がひしめいている。これでは、野党が“改憲ありきだ”と反発するのは当然です」

 さらに、

「初めての改憲を、野党第一党が反発する中、強行するというのは考えにくい。にもかかわらず総理は、9条改正という、野党が到底呑めない案を下ろす気配がない。強硬な改憲姿勢で支持者の機嫌を取り、議席が減れば、それを改憲できない言い訳に使うつもりなんじゃないかとまで勘繰る声もあるんですよ」(同)

 キツネとタヌキの化かし合いはまだまだ続く。

週刊新潮 2019年5月30日号掲載

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