10連休明けで「退職代行サービス」に依頼殺到、業者が明かす具体的ケース

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ゲイの店長に10分間罵られる

 昨年77月に参入した「SARABA」も、連休明けは普段の倍以上の依頼があった。運営する株式会社ワンの担当者によると、

「依頼してくる方たちは、たとえば、保険業や不動産業に携わる依頼者によると、入社前は営業ではないと言われたのに、入社してみると営業をさせられたというケースが多いですね。パワハラも多く、理由はわかりませんが坊主にさせられたなんて例もありました。あと、こんなこともありました。依頼者はゲイ専門の風俗店に勤める大学生でした。そっちの気はなかったのに、お金が欲しかったのでしょうかねえ、アルバイトをしていたのです。女の子ならなんとか続けられても、男は頑張らないといけないから、辞めたくなった。こちらが電話をすると、ゲイの店長から、『あんたたち、なんなのよ~』と10分間罵られてしまいました。結局、無事に退職することができました。本人が店に来なくなったのだから、認めざるをえなかったのでしょう」

 依頼者も十人十色である。同じく退職代行業社の「EXIT」の担当者もこんな話を披露する。

「脱毛サロンの同じ店から同時に3人依頼があったこともありましたし、自動車大手メーカーの工場から計10人ほど依頼を受けたこともあります。巫女さんから、なんてこともありましたね。うちの業務としましては、退職する会社との交渉は一切行いません。あくまで、退職に関する連絡の代行になります。交渉すると違法になる可能性が高くなるからです」

 弁護士でもないのに、報酬を得て会社側と交渉すれば「非弁行為」となり、弁護士法で禁じる違法行為とみなされる。

「弁護士に依頼すべきケースは、会社との間で法的トラブルを抱えている方、未払いの残業代や賃金の支払いなどで揉めている方となります。普通に退職するだけであれば、弁護士は必要ありません。退職代行業務は、退職金の交渉などはしないし、書類の作成などを代行することもないため、違法行為には該当しません。安心して利用していただけます」(前出・ニコイチの西村氏)

 退社に3万円は高いか安いか――。

週刊新潮WEB取材班

2019年5月25日掲載

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