維新の会、大阪4重選圧勝でゾンビ復活する都構想

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 積み上げては崩され、崩されては積み上げる。こんな“賽の河原”のごとき苦行を性懲りもなく繰り返すのは大阪の皆さんである。

 この7日に全国で投開票が行われた統一地方選の前半戦。大阪では、府知事と市長のクロス選に府議、市議も合わせた“4重選”が行われ、維新の会が再び、圧勝をおさめたのだ。

 これまでの経緯を簡単に振り返っておくと、

「4年前の住民投票で廃案となった都構想ですが、半年後に行われた知事・市長のダブル選で維新が圧勝。都構想を蒸し返したところ、非維新勢力の抵抗に遭い、業を煮やした松井一郎前府知事が出直し選挙をぶち上げたのです」(地元記者)

 そして、今回の選挙結果がこれまでと異なるのは、

「維新が大阪市議選で過半数に肉薄する40議席を獲得したこと。住民投票実施のためには法定協議会で他党の合意を得る必要がありますが、自民や公明の議員からは、これだけ大敗したら、これ以上反対するのは無理だという泣き言すら洩れている。もはや住民投票実施は既定路線といえるでしょう」

 維新が積み上げた石の塔を崩し損ねた格好の自民党と公明党。敗因はというと、

「両党とも東京のバックアップを得られなかったことが大きい。松井市長と吉村洋文知事は、すでに官邸へ当選の挨拶に出向く調整を行っていますから、はなから自民党大阪府連は見捨てられていたのでしょう。公明党も次の衆院選で維新に対抗馬を立てられる恐怖から、党中央は大阪府本部と距離を取っていた」

 今後も都構想に振り回される大阪市民は御気の毒である。

週刊新潮 2019年4月18日号掲載

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