福島弓子と河野景子に見るアスリート妻の明暗 「出しゃばり」評もメシの種!? 

スポーツ

  • ブックマーク

Advertisement

「出しゃばり」と「内助の功」の評価は裏表 人気アスリートの妻だからこそ必要なたくましさ

 再び女子アナに復帰し、ブログに講演に暴露本の出版などに励む河野は、「出しゃばり」と嫌われている。でも、ブログすらやらずに陰に徹しながら、美容サロンの経営などで資産を増やし、メジャーリーグでの婦人会の付き合いも欠かさない福島は、「内助の功」と賞賛される。どちらも、自分でも稼ぎ、社会とのつながりを保っているという事実は一緒なのに。

 夫が怪我などで引退すれば生活は苦しくなる。また、まさに河野がそうだが、離婚することだってある。でもそうなった時に、世間の「良妻」という評価は、何も助けてくれない。食い扶持と、社会とのネットワークは自分で保ち続けていくしかないのである。

 これだけ評判の良いイチローも、結婚直後に慰謝料1200万を支払ったと言われる不倫騒動があった。済んだことであり、妻も了承済みとイチローが答えていたが、福島の胸中は穏やかではなかっただろう。むしろこういうことがまた起きるのに備えて、何ができるか、と考える部分もあったのではないだろうか。

 ガッツを表に見せると「出しゃばり」と言われ、見せずにおけば「内助の功」と賞賛される日本社会。けれども、一歩下がって奥ゆかしくあれ、という世間の評価に従うのが、本当に良妻の条件なのか。何かあっても、自分の食い扶持と環境はしっかり守るから、というたくましさを持つ女性こそが、本当のアスリートの妻の道なのではないだろうか。転んでもただでは起きないと思わせる彼女たちの胆力。たとえ「出しゃばり」と言われようと、わたしも頑張るから任せておいてよ。そう言ってくれそうな一流のサバイバル力に、一流アスリートたちが惚れるとも言える。ダルビッシュ有が当時の紗栄子より、山本聖子(彼女も姉さん女房)と上手くやれているのもそういう印象を受ける。

 強いアスリートの陰に控えめな妻あり、ではなく、強い妻あっての強いアスリート。もしかしたらそういうことなのかも、と思わされた元女子アナたちの再注目であった。ちなみに余計なお世話だが、河野は世間の評価より息子に足をすくわれないよう気をつけた方が良いと思う。靴職人だけに。

(冨士海ネコ)

2019年4月7日掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。