日米合意に影を落とす馬毛島地権者の親子ゲンカ

国際週刊新潮 2019年4月4日号掲載

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 鹿児島県・種子島の西約10キロに浮かぶ「馬毛島(まげしま)」。面積8平方キロほどのこの小さな離島を巡り、日本政府が頭を悩ませている。

 経済誌記者によれば、

「この島は1995年に立石建設という建設会社が購入し、現在は、同社の関連会社であるタストン・エアポート社が島の99%以上を保有しているんです。島は、これまで普天間飛行場の代替地や米軍の訓練用地として取り沙汰され、政府は、幾度となく社長の立石勲氏と買収交渉を行ってきた。しかし、両者の思惑は食い違い、話がまとまることはなかったのです」

 それが、今年の1月、突如、政府とタストン社の間で馬毛島の買収合意が取り交わされることとなったのだ。その内容はというと、

「160億円で政府が買収し、米軍空母艦載機の発着訓練用地として利用するというもので、この4月には日米2プラス2で、アメリカとも正式な合意に至る予定になっているんです」

 急転直下の買収合意。一体どんな手を使ったのか。

「実は、昨年の10月、政府はタストン社の債権者を焚き付けて、売却に否定的だった勲社長を解任に追い込むことに成功したんです。新社長には勲氏の次男が就任し、政府はこの次男との間で買収交渉を取りまとめたというわけです」

 ところが、“官製親子ゲンカ”の形勢がここへきて一変する。

「今年の2月下旬、今度は勲氏が株主総会で次男を解任し、自らが社長に返り咲いたのです。現在、次男は東京地裁に差止めの仮処分を申請していますが、後の祭り。アメリカは訓練用地の移転を強く求めており、合意が反故になれば、外交問題にも発展しかねません」

 これに対し、当の勲氏は、

「政府には、裏で私の息子を操るような真似はやめて、フェアに交渉をしてもらいたいものです」

 姑息な裏工作では通用しない?