相棒、トレース、メゾポリ…視聴率だけではわからない「刑事ドラマ」本当の評価を分析

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ドラマへの集中度

 ただし各回を直近3話と併せて、4話連続で見ていた人の数で見ると、年齢層のバランスとは異なる風景が見えてくる。

“欠かさず見る”タイプの視聴者が最も多いのは「相棒」だ。ネットにつながる関東地区約30万台のテレビの視聴実態をしらべるインテージ「Media Gauge」によれば、2~3月では毎話6千人ほどが「相棒」にハマっていた。他4ドラマを圧倒している(図2)。

 同ドラマは1話完結型だ。このタイプは途中を見逃しても、話がわからなくならないので、安定した視聴率につながりやすい。今や1話完結型の連続ドラマが大半となっているゆえんだ。

 その代わり視聴者も、ドラマへの執着が強くなりにくい。「暇だったら見よう」程度のスタンスとなってしまうのが欠点だ。

 それでも「相棒」の場合、多くの視聴者がハマっていたのはさすがだった。ただし男女年層別データで見た通り、65歳以上の高齢者が大半だった。しかも、そんな視聴者が回を追って増えていない。視聴者層が固定的になってしまっているのだろう。

 一方「トレース」は、“集中”視聴者が回を追うごとに増えた。若年層が徐々にハマって行ったと推測される。設定およびストーリー展開が、若者向けとして成功していたのかも知れない。

 逆に「メゾン・ド・ポリス」では、課題が顕在化した。“集中”視聴者が次第に減ってしまったのである。多くの人を熱中させるほどの吸引力に欠ける物語だったと言わざるを得ない。

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