貴乃花をやきもきさせる「河野景子」暴露本に“登場しない関係者”

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 一読して「肩透かし」を食らった気分なのは元貴乃花親方(46)だけではあるまい。元夫人の河野景子さん(54)による、離婚後初の著作『こころの真実』(世界文化社)のことだ。渦中の人物による暴露本には違いないが、気になるのは「書かれなかった」部分である。

 景子さんが暴露本を出版することに、貴乃花は相当、気を揉んでいたという。元後援会関係者が明かす。

「発売と前後して、親方から“景子が後援会の人たちに本の買い取りをお願いしていませんか?”と連絡があったんです。確かに、親方が協会を退職するまで後援会の取りまとめを担ってきたのは景子さんなので名簿もお持ちです。親方はまだ読んでいなかったようで、何が書かれているか分からないのに、後援会を利用して売られては困ると疑心暗鬼になっていた」

 結局、貴乃花の思いすごしだったものの、「平成の大横綱」が元夫人の告白に慄いていたのは間違いない。

 初版1万7千部で、すでに3刷を予定しているそうだが、肝心の中身には相撲担当記者も首を傾げる。

「目を引いたのは、景子さんがストレスで円形脱毛症になったり、壁に頭を打ちつける“自傷行為”に走ったりしたという記述くらい。貴乃花がテレビで“円満離婚ではない”と発言したのに対して、むしろ“私はそう思っていません”“夫婦でありながら同志、戦友のような存在”と持ち上げるなど、全編を通じて言い訳と綺麗事に終始している印象です」

 離婚や数々の騒動についても「踏み込み」は鋭さに欠ける。しかも、

「義兄に当たる若乃花にはわずかに触れる程度で、義母の憲子さんや義姉だった美恵子さんに至っては名前すら見当たりません」(同)

 さらに奇妙なのは、相撲部屋の女将を「お母さん的な役割」としながらも、弟子の名前がほとんど出てこないことだ。ちなみに、元横綱・日馬富士から暴行を受けた貴ノ岩への言及も皆無。両親を亡くした貴ノ岩にとって景子さんは「日本の母」だったはずだが……。一方、昨年の九州場所を制した貴景勝だけは6ページに亘って取り上げている。

 この点、景子さんに質すと、

「貴景勝について書いたのは、あの子の番付が一番上だったからです」

 確かに、元貴乃花部屋出身力士のなかでも貴景勝の関脇は最高の番付で、稀勢の里が引退した今、日本人横綱への期待も高まる。とはいえ、他の弟子たちはどう受け止めるだろうか。

「綱取りがなれば“貴乃花部屋の元女将”に加えて、“新横綱を育てた元女将”の肩書も手に入る。それもテレビでの仕事に繋がります」(先の記者)

 要するに、彼女のテレビ業界における「番付」は貴景勝の活躍次第。トラブルを起こした他の弟子については「かわす」が勝ちというわけだ。

週刊新潮 2019年3月21日号掲載

ワイド特集「時をかけるトリックスター」より

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