逃げる「貴乃花」追う「自民党」という参院選の綱引き

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「馳さんじゃないの?」

「貴乃花さんに私が出馬要請するなんて、そんな話はないですよ。去年の勉強会も、貴乃花さんが参加されてびっくりしたけど、途中で帰られたはずで、挨拶もできなかった。それ以前から面識もないんです。それに私は相撲協会の八角さんとも尾車さんとも親しくしているので、貴乃花さんに出馬云々なんて、私は言える状況にありませんよ。打診するなら、去年の秋にも会っていて、同じく格闘技をやっていたよしみで馳浩さんじゃないのかな」

 そう煙に巻くが、「絶対に会わないか」と念を押すと、

「急にぜひ、ということだってある」

 と、完全には否定せず、

「党の選対には、貴乃花さんにぜひ、という声があるのは事実です」

 と認める一方、貴乃花側は、遠藤氏との面会は、

「未定です」

 と回答した。政治アナリストの伊藤惇夫氏は、

「貴乃花が50万票でもとれば、比例で2人は引き上げられますから、自民党から貴乃花出馬待望論が出るのは当然です」

 と言って、続ける。

「ただ非常に扱いづらい人物なので、当選したら苦慮するでしょう。以前、大橋巨泉氏が民主党の客寄せパンダとして立候補、当選しましたが、わがまま放題で党と対立、辞職した。同様のリスクが考えられますが、票だけ持ってきてくれれば、辞職されてもほかの人が繰り上げ当選する。自民党にはむしろ好都合でしょう」

 口説き落とされてさらに転落は、避けたほうが……。

週刊新潮 2019年3月7日号掲載

ワイド特集「ゲームの駆け引き」より

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