北海道地震は人災と断言「鳩山由紀夫」の科学的センス

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 またも鳩山由紀夫元首相の発言が騒動を引き起こした。2月21日に北海道で発生した最大震度6弱の地震は、苫小牧沖で行われている二酸化炭素の地中貯留(CCS)が原因の、「人災」だとツイートした。地震発生の3時間前にも、CCSと地震の関係性について危機感を表明しており、“予言的中”と舞い上がったようだ。

 即座に反応したのが、道庁と道警。ともに、鳩山氏の発言を“流言飛語”と認定し、デマの書き込みに対する注意喚起をした。

 道警に聞けば、

「公的機関の情報周知を阻害する風説を、生活安全部が主体となって調べました。鳩山さんのツイートについても、リストアップした中に入っています」

 首相経験者が警察のリストに載るとは、情けない。道議会議員の一人は、「北海道の恥」と吐き捨てる。

「今回の震源地となった胆振(いぶり)地方は、鳩山氏の地元選挙区だった場所です。中選挙区時代から数えれば25年程の付き合いでした。余震に怯える人がまだ多く居るのにデマを流すとは……」

 そもそもCCSとは、地球温暖化対策として、二酸化炭素を地中深くに貯める技術のこと。鳩山氏は、注入する際の圧力や、貯留層の何らかの異変が今回の地震を誘引したと主張したいようだ。これについて、技術面の研究を行なっている「日本CCS調査」に聞くと、

「今回の震源の深さは33キロですが、貯留している場所は地下千メートルと相当な差があります。地震前後の圧力と温度のデータにも異常はない。昨年9月の胆振東部地震では、地震学会の会長を含む専門家が検証して、因果関係なしという結論が出ています。鳩山さんには慎重にご発言してほしいですね」

 いやいや、ご発言はもうしないでほしい。

週刊新潮 2019年3月7日号掲載

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