逆襲の「ゴーン」! 中東の販売代理店が日産を訴える理由

企業・業界週刊新潮 2019年2月14日号掲載

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あくまでもポケットマネー

 ルノー関係者が解説する。

「CEOリザーブとは、年度初めに予算として金額が確定できない支出に対応するための予備費。CEOが勝手に使えるような資金ではありません。レバノンとオマーンの販売代理店に支払われたのは、インセンティブ、要は販売促進費です。日産が、日産の販売代理店に販売促進費を支払うのは当然のことではないでしょうか」

 ましてや、販売代理店からゴーンの妻・キャロル夫人の会社への資金還流は事実無根だとしている。

「クルーザーは、昨年亡くなったレバノンの弁護士から購入しました。ゴーンは以前からその弁護士と親しかったため、“体調が悪く、もう海に出ることもないから、私の船を買わないか?”と持ちかけられていた。でも、あくまでもポケットマネーで、マリーナなどの契約も引き継ぐためにクルーザーの所有会社ごと買い取って、キャロル夫人の名義にしたとのことでした」(同)

 一方、マネーロンダリングに加担したかのように報じられた販売代理店の経営者は怒り心頭に発しているという。

「オマーンに派遣された日産の調査チームは経営者に対し、取引関係の解消までチラつかせてゴーンに不利な証言を求めました。でも、彼はそれを拒絶し、逆に日産に対する訴訟も辞さずと憤慨している。この代理店は売上実績でかなりのシェアを持っており、中東で強い発言力がある。仮に取引解消となれば、他の代理店も追随して離反するかもしれず、日産側も大打撃を被るのは避けられません」(同)

 ゴーン追放には、日産も返り血を浴びる覚悟が必要になりそうだ。

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