冬ドラマは“司法モノ”が多すぎて食傷気味? 民放プライムタイムの全14本中10本を採点

エンタメ 2019年2月11日掲載

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 今年も早2月――。そういえば、1~3月期ドラマの総括がまだだった。というのも、あまりに似たり寄ったりのドラマが多すぎるせいで、しばらく見てみないと違いがわからないのだ。というわけで、コラムニストの林操氏に伺った。

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 平成最後の1~3月期、民放プライムタイム(夜7~11時)の連ドラは計14本ありまして、唐突ながら、そのうち10本をまとめて、いきなりの品定め(タイトルの後に続く星印は極私的なお薦め度です)。

●「トレース~科捜研の男~」(フジ系/月・夜9時~)★★☆☆☆
これは月9ではない。“月9らしくない月9”を模索するフジの取り組みの最新版ながら、その出来は「『科捜研の女』+中級ジャニーズ+2時間ドラマの帝王」という苦しまぎれな足し算の答えを、間違いなく3より大きな数字で割った水準。

●「後妻業」(フジ系/火・夜9時)★☆☆☆☆
これは関東向けではない。関西(関テレ=関西テレビ)による関西のための関西の、濃くて汚れた世界。実際、関西の視聴率が関東よりずっと高い。大竹しのぶ主演の映画版(2016年)は関西では公開されなかったのか?

●「相棒 Season17」(テレ朝系/水・夜9時)★★★★☆
これは引き続き「相棒」以外の何物でもない。右京さん=水谷豊も見た目の定年後感を隠すのが難しくなってきたけれど、「相棒」だからこそやれるという実験的な作品が今もちゃんと出てきて印象を残す。「相棒」はもはや作品というよりジャンル、あるいは枠になりつつある。

●「刑事ゼロ」(テレ朝系/木・夜8時)★★★☆☆
●「記憶捜査~新宿東署事件ファイル~」(テレ東系/金・夜8時)★★☆☆☆
どちらも記憶モノである。捜査モノ・刑事モノが溢れすぎて新味を出そうとしたときに、テレ朝とテレ東の双方が頼った切り口が偶然にも同じ“記憶”。で、記憶を失くしたのが「刑事ゼロ」の沢村一樹なら、記憶以外を失くしたのが「記憶捜査」の北大路欣也。ドラマとしちゃ、どちらもそれなりの作りながら、2本が並んでみて思うのは「煮詰まってますなぁ」。

●「メゾン・ド・ポリス」(TBS系/金・夜10時)★★★☆☆
「トレース」と同じく、これまた苦しまぎれな足し算捜査モノ。ただ、足される3要素は「やすらぎの郷」「バイプレイヤーズ」「三匹のおっさん」で、どれも「トレース」よりは豪華ゆえ、その合計を割る数がたとえ3以上であっても、答え=ドラマの出来には「トレース」ほどの荒寥感・寂寞感は出ていない。

●「3年A組―今から皆さんは、人質です―」(日テレ系/日・夜10時30分)★★★☆☆
これは刑事モノではない。3人ばかりデカが出てくるのは、主人公の教師が建造物等損壊罪・逮捕(拉致)監禁罪その他いろいろの刑法を犯していて警察がカラんでこないとおかしいからというレベルに過ぎない。湊かなえの『告白』を読んだり、その映画版(2010年)を見たりしていないアナタ、読んだり見たりしたけれど忘れてしまったアナタにこそ、お薦め。

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