日韓相互不信に言いたい。本当の“敵”はほかにいるでしょ!(石田純一)

国内2019年2月6日掲載

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石田純一の「これだけ言わせて!」 第21回

 みなさんご存じのように、いま日本と韓国との関係が最悪だ。元徴用工訴訟判決やレーダー照射問題で、韓国は日本への強硬さを増し、それに対して日本も非難の応酬をしている。両国がひどい相互不信状態にあるのだ。

 しかし、考えてみてほしい。日韓の相互不信は、日本も韓国もともに国力を弱めることになるだけで、三文の徳すら得られない。韓国の本当の敵は日本なのか。日本の本当の敵は韓国なのか。そこを読み違えていると、何十年かしたら自由主義国家の日韓がともに中国の属国になっている、なんていう悪夢さえ、現実になりかねないのではないか。現状のように、日韓それぞれがたがいの国力や影響力を弱め合っていれば、結果として中国を、または北朝鮮を利することにしかならない。

 そんなことを防ぐには、日韓がたがいを利するべく友好的でなければならないし、それにはトップ同士が膝を突き合わせて話し合うしかない。日本も過去に対して、ある程度謙虚になる必要があると思う。しかし、韓国も未来に対して謙虚になるべきなのだ。もう一度言おう。本当の敵はだれなのか。それをしっかり見据えるために、トップ同士が直接話す機会を作るしかないだろう。

 安倍総理は先の施政方針演説で、韓国のことは1度名を呼んだだけで事実上無視し、「さわらぬ神に」みたいな感じがあからさまだった。まあ、非難しなかっただけよかったとも言える。だが、残念なのは、ロシアのプーチン大統領やラブロフ外相から「北方領土はロシア主権下にあると認めることが平和条約交渉の前提だ」なんて言われても言い返せないし、トランプ大統領にねじ込まれるまま何千億円分も武器を買う弱腰の総理が、韓国にだけ強い態度に出るというのは、いかがなものか。

 日韓問題はたがいに感情的になっているかぎり解決しない。メディアもことさら嫌悪感情を煽らないでいただきたい。日本は冷静だという見方もあるが、いま韓国に向けて法律論をぶつけるのは得策でないと思う。元徴用工問題であれば、1965年の日韓基本条約に付帯する日韓請求権協定で韓国の請求権は放棄されているから、とっくにケリがついているんだ、というのが日本の立場だ。もちろん、それはわかるけど、1965年当時の韓国は朴正煕大統領による軍事政権下で民意が抑えられていた。だから、韓国人の国民感情としては、その時代に解決済みだといわれてもなかなか納得できない。そして強制労働や、劣悪な環境の労働に対する反省や謝罪は、やはりなかった。そこを理解して話を進めないと、解決できるものもできなくなると思うのだ。

 日本と韓国の間には、ただでさえ歴史問題や慰安婦問題などが過去の亡霊のように立ちはだかっている。また以前は北朝鮮という共通の敵がいたのに、文在寅政権は盧泰愚政権以来の北朝鮮との融和政策をとっている。以前なら日韓の橋渡し役を務めてくれたアメリカも、金正恩と直接やりとりするようになった。いま地政学的にも、日韓の仲が悪くなりやすい条件が揃っている。そんなときに中国は、以前にも増して膨張主義を強め、東アジアや東南アジアに進出するなど覇権主義的になってきた。

 本当は日米韓が一枚岩でなければ、北朝鮮とも中国とも対峙できないはずだ。ところが現実には、日本だけ蚊帳の外にいる。そんな状況を打開するために、安倍サン! 文大統領としっかり話し合ってください!

石田純一(いしだ・じゅんいち)
1954年生まれ。東京都出身。ドラマ・バラエティを中心に幅広く活動中。妻でプロゴルファーの東尾理子さんとの間には、12年に誕生した理汰郎くんと2人の女児がいる。元プロ野球選手の東尾修さんは義父にあたる。