映画「マスカレード・ホテル」をアンチ・キムタク派のSMAPファンはどう観たか?

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キムタクの“禊”が済む日

 そこで「SMAPファンのアンチ・キムタク派も演技は評価している」という指摘を、映画担当の記者にぶつけてみた。すると「『グランドホテル方式』という言葉をご存知でしょうか。『マスカレード・ホテル』の勝因の1つです」との返答だった。

 ウィキペディアで「グランドホテル形式」を見てみると、「映画や小説、演劇における表現技法のことで、『ホテルのような一つの大きな場所に様々な人間模様を持った人々が集まって、そこから物語が展開する』という方式のことである」と解説されている。

 要するに群像劇なのだが、場所を限定するところがポイントだ。「マスカレード・ホテル」をご覧になった方なら、すぐにご理解いただけるだろう。

「『グランドホテル形式』のため、豪華な助演陣を違和感なくキャスティングできました。特に男優は見応えがあり、笹野高史(70)、小日向文世(65)、生瀬勝久(58)、高嶋政宏(53)といった面々が、一種の“ゲストスター”として多彩な演技で映画を盛り上げ、木村さんの魅力を更に引き立てていたと思います」

 デイリー新潮は17年10月、「木村拓哉、背水の陣… 映画『マスカレード・ホテル』はHERO組で勝負」と報じた。ドラマ『HERO』の出演者でいえば、先の小日向文世や、濱田岳(30)、松たか子(41)も、本作にも出演している。

「何より鈴木雅之監督は、フジテレビのドラマ『HERO』のチーフディレクターです。木村さんをカッコ良く魅せる方法をよく知っている。撮影現場でも、阿吽の呼吸で進むことが少なくなかったようです。非常にいい雰囲気の中、木村さんものびのびと演技を楽しんでいるように見えました」(同・映画記者)

 キムタクの演技が話題になった「検察側の罪人」だが、3月1日に授賞式が行われる日本アカデミー賞では実質的に“黙殺”されたようだ。事前に発表された優秀賞では、助演男優賞で二宮和也が受賞した以外、作品賞も監督賞も、そして主演男優賞にも選ばれなかった。

 この辺りのウラ事情を、デイリー新潮は「キムタク『検察側の罪人』で好演、それでも日本アカデミー賞『優秀男優賞』を阻む“前科”」(18年9月24日)で報じている。

 だが、「マスカレード・ホテル」のヒットに、木村の“禊”は済んだと考える業界関係者が増える可能性もある。すると来年の日本アカデミー賞で「マスカレード・ホテル」が栄冠を独占――する日が来るかもしれない。

週刊新潮WEB取材班

2019年2月6日掲載

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