ZOZO「前澤社長」の1億円バラ撒きでも消せない悪い評判 株価は下落、大手が離脱…

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「ガックリきちゃいました」

 昨年末には、〈ユナイテッドアローズがZOZO離れへ、ECサイトの開発委託先を変更〉と報じる記事もあった。

「“前澤社長がZOZOを売るんじゃないか”という噂も耳にしましたし、ウチみたいな堅い会社にとって、永続的に真面目なビジネスが出来る相手としてZOZOってどうなんだろうという疑問はあります。一部の人が利益を搾取している印象があり、不信感は募っています。年始に前澤社長がツイッターで『お年玉キャンペーン』をしていましたよね。個人のお金だから会社とは関係ないんでしょうけど、株価も落ちている状況でよくやるなぁと思いました。それなのにウチの奥さんも息子も参加していたことが判明して、ガックリきちゃいましたよ」(同)

「お年玉キャンペーン」とは、新春セールの取扱高が史上最速で100億円を突破したことに感謝を込め、前澤社長個人から100名に100万円をプレゼントしたものだ。ツイッターで社長をフォローし、リツイート(拡散)するだけで資格を得られるということで、フォロワーは約12倍、リツイートは554万を超えた(世界記録)。NHK『ニュース7』をはじめスポーツ紙は一面で報じ、各ワイドショーもこぞって取り上げる。対価を取らずに大量の貨幣を市中に供給するヘリコプター・マネー政策は中央銀行あるいは政府の専売特許だったはずだが、そのお株を奪うとまでは行かずとも話題性は十分。費用対効果は十二分だった。

 ZOZOには消費者という顧客と同時に、出品者という顧客が存在する。既に触れ、そして後章でも紹介する通り、出品者から悪評がどんどん出てくる。彼らの血涙を原資に1億円のバラ撒きが行なわれたと論難されないためにか、ツイートでは「僕個人から」と言い添えていた。彼自身、〈2016年度77億円、2017年度34億円、2018年度70億円(予定)。個人での国内における所得税や住民税などの納税額です〉と呟いたことがある。収入の多くはZOZOからの配当と株の売却益が占めているのだから、出品者という顧客の血涙が巡り巡って流れていると言えなくもない。

 顧客かどうかもよく分からない新規フォロワーに大盤振る舞いして「日頃の感謝」と称する陰で、なおざりにされる出品者たちの落胆……。先の執行役員の「ガックリ」はそういうことになる。

(2)へつづく

週刊新潮 2019年1月24日号掲載

特集「株価は下落! 大手が離脱! ZOZO『前澤社長』の1億円バラ撒きでも消せない悪い評判」

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