ZOZO「前澤社長」の1億円バラ撒きでも消せない悪い評判 株価は下落、大手が離脱…

ビジネス 企業・業界 週刊新潮 2019年1月24日号掲載

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守ってきたブランド・イメージが…

 売上高500億円弱のある著名ブランドも、オンワードと同じ理由で撤退を決めた。執行役員に聞くと、

「“キャンペーンを始めます”というお知らせのメールがウチのEC(ネット通販)担当に届いたのは、よりにもよって年末の繁忙期。ZOZOからの連絡は常にメールで送られてくる。一斉送信みたいな文面です。“値引き分はZOZOが負担する”旨は確認できましたが、実際にZOZO上で商品がどのように表示されるのかなどの詳細については全く分からない状態でした。その時点では特に問題視せず受け入れてしまったのですが、年明けの始業日にZOZOのページを見て衝撃を受けました」

 そこには「ARIGATOメンバー価格」として、定価から割引された金額が表示されていたからだ。

「私たちは店舗でセールを一切行なっておらず、どんなに営業を受けてもアウトレットへの出店もしてこなかった。そうして守ってきたブランド・イメージから大きく逸脱してしまうと思い、大急ぎでZOZOの担当営業に連絡を取りました。“こういう形のキャンペーンだったら退店を考えざるを得ない。直接上司と話したい”と伝えたのですが、この件で担当部署には問い合わせが殺到中。上司との面談が叶うのは最短で月末だと言うんです。反発するブランドに対して“どういう形であれば継続して出店していただけますか”とヒアリングに回っているとも聞きました。ウチとしてはその時期まで放っておくわけにはいかないので、“申し訳ないけど、とりあえずZOZOの弊社商品ページは非公開にさせて頂きます”と伝えたのです。同業他社の担当さんも頭を抱えており、“新商品や限定商品はZOZOに出さない”など、対策を考えて動き出してるみたいです。ウチにはメール一通のみだったけど、外資のラグジュアリー系のブランドさんには、直接足を運んで説明しているみたいです」(同)

 このブランドの場合、商品が売れると代金の30%強を手数料としてZOZOに差し引かれる。日本で最も手数料が高いリアル店舗は伊勢丹新宿店で、ブランドによってマチマチだが、3割前後を徴収しているという。ZOZOでは更に「クーポン」と言って、対象ブランドの商品を安く買える仕組みがあり、この割引分は各ブランドが負担する。これは販売ツールとして強力だからブランドは頼りがちになるのだ。

「“いっそ止めてもいいのでは”という声はかねて社内で上がっておりました。ウチが支払っている手数料は30%ですが、あとから参入したところはもっと取られています。同じ会社が手掛けていても、最初から出していたブランドと後から参入したものとでは手数料が異なるようです。そもそもZOZOに出店したのは、ファッション感度の高いユーザーが集まっているという印象を持っていたからです。でも、今はしまむらや西松屋の商品もたくさん並んでいて見え方が変わってきている。ウチの商品はギフト需要も高いので“どこでも買える”イメージは避けたい。今回のキャンペーンをきっかけに、オンワードさんが撤退したことにも背中を押されました。他にもミキハウスさんなんかもZOZOとの付き合い方に悩んでいるそうです」(同)

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