「慶應」法vs.「早稲田」政経・法 “就職事情”に見るそれぞれのカラー

社会週刊新潮 2019年1月3・10日号掲載

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「早稲田vs.慶應」進学するならどっち?(2)

「早慶」と並び称される両大学にあっても、データを見ればその差は大きい。たとえば早稲田大学法学部と慶應義塾大学法学部にダブル合格した学生は、じつに86・7%が慶應に進学しているのだ(2018年度入試、東進ハイスクールのデータより)。慶應人気の背景に国公立大併願者が受けやすい入試日程や大学の規模などがあることを見てきたが、とはいえこうした数字が、大学の優劣を意味するわけではない。

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 大学側の説明に耳を傾けたい。まず慶應から。

「早稲田さんと比較されることが多い慶應ですが、全体にこぢんまりとした環境で、各学部などが有機的に補完し合い、法学部に所属しながらも、学部を超えた広がりを学生生活のなかで感じられると思います。学生は法律学科、政治学科に入学するという意識があるかもしれませんが、それぞれ別の学科の授業も聴くことができます」

 と語るのは、岩谷十郎法学部長。法律学科を代表して、小山剛教授が言う。

「教員と学生の距離が近いです。私は法科大学院でも教えていますが、他大学出身の学生は、慶應のこの距離の近さに驚く人が多いようです。また、他大学の法律系学部に類を見ない水準で語学教育に力を入れ、週4回の授業で集中的に学ぶインテンシブコースを選択すると、4年間で不自由なく喋れるようになる学生もいます。法律学科の出身者も多くは民間企業に就職しますが、彼らの強みの一つはリーガルマインド、つまりバランスのとれた実践的思考を学んでいること。もう一つは、問題がある契約書を識別する嗅覚が働くようになることですね」

 続いて政治学科を代表し、萩原能久教授の話。

「一般的に教養課程と呼ばれている日吉キャンパスでの語学や人文科学の科目も、両学科とも4年間を通じて配置され、法律、政治、一般教養が4年間で一体化されているのが、法学部の最大の特色だと思います。政治学科については、政治学という学問を経済学と一体のものとしてとらえるのではなく、ドイツ型の国家学の伝統にのっとり、国家に関わる学問のなかの法律部門と非法律部門という形で構想されているのが大きな特徴です。また政治学科は、将来どんな方向にでも行ける勉強をしたい高校生には、一番進学しやすいと思います。社会問題をどうとらえ、どう解決策を見いだしていくのか、という考え方を学べるので、どの職業に就いても問題に対処するうえで役立つと思います」

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