島田紳助が「M-1上沼騒動」を叱る 「酒飲んで審査員の悪口を言うのはオッケーやねん。ただ……」

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漫才への恩返し

 でも、そんなことは、若手にはわかりにくいかもしれへん。せやから、若手が酒飲んで審査員の悪口を言うのは、全然オッケーやねん。「あの審査員、間違(まちご)うとるわ。いまのお笑いがまったくわかってない」とか言うて、オレとか松本の悪口言ってても全然ええ。家で仲間と一緒に陰で悪口言うのは、全然構へんねん。それが若者のエネルギーというもんやからな。

 ただ、それは陰で言えって話やろ。SNSにアップするってことは、面と向かって言ってるのと同じことやから。明らかにケンカ売ってるわけでしょ。じゃあ後輩にケンカ売られた先輩は、どう思うかってことです。先輩は非常に腹立たしいですよ。オレやったらめちゃめちゃ腹立ちます。

 それだけに、上沼さんのことはオレも気になっててね。オレが謝りに行かなあかんのかなって。もし、上沼さんの悪口言ってた子たちを直接知ってたら、上沼さんとこに謝りに連れて行くんやけど、知らんからどうしようもないな。吉本の会社の人間が間に入ってやらな、どうにもならへんのとちゃいます?

 そもそも「更年期障害」だの「好き嫌い」だの、根本から間違ってますよ。なんのために上沼さんは審査してくれてんねん。オレだって長らく漫才してないじゃないですか。松本だって上沼さんだってしてない。じゃあ、なんで漫才やってない人間が審査員やってんのか。漫才に育ててもらったという気持ちがあるからです。M-1というのは漫才への恩返しなんですよ。

 だから「松本、やってくれや」って言ったら、「わかりました!」って二つ返事なんや。オレが辞めるときも「あとは頼む」って言って託してきた。上沼さんだって同じ気持ちや。漫才への恩返しやと思ってやってくれてるんや。上沼さんがM-1の審査員でもらってるギャラなんて、関西のテレビに出たときのギャラの10分の1くらいや。そんなわずかなギャラで、あれだけの責任を負うというのは、自分を育ててくれたのは漫才や、という気持ちがあるからなんです。

(3)へつづく

週刊新潮 2018年12月27日号掲載

特集「引退から7年『島田紳助』『M-1上沼騒動』を叱る」より

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