「細田派」「岸田派」幹部が顔をそろえた「夜の酒宴」 狙いは

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 この季節、鍋を囲む風景は、どこでも見られる日常の一コマだ。が、面子によって意図を勘ぐってしまうのは、“鍋をつつく”親密さゆえだろうか。

 今月12日夜、紀尾井町の「今半」で、自民党最大派閥の清和会幹部と宏池会幹部が一堂に会した。清和会は、トップの細田博之元官房長官をはじめ、下村博文元文科相、世耕弘成経産相、山本順三国家公安委員長ら7名が出席。宏池会からはトップの岸田文雄政調会長、根本匠厚労相、山本幸三元地方創生担当相ら6名が出席した。

 自民党担当記者が語る。

「両派閥の領袖が参加する大人数の会合は今年初めて。どのような思惑があるのか、永田町では憶測が飛び交っています」

 会合参加者に近い関係者は平静を装いながら、

「以前、細田派から会合に誘ったことがあったので、今回は岸田派が呼び掛けた、というだけのこと。円滑な政権運営をめざし、両派閥での連携を確かめ合った程度の懇親会ですよ」

 というし、慎重派の細田氏が大人数の会合で込み入った話はしない、という見方も多い。が、先の記者は、

「岸田派は、ポスト安倍の足掛かりを作る狙いがあっただろう」

 と、推察する。

「前回総裁選で結局は出馬を見送った岸田氏は、事実上、次の目を失った。安倍首相からの後継指名に望みをつなぐには、年内にいったん細田派の顔色を窺っておく必要があった。一方、総意を得て総裁候補に推せる人物が不在の細田派にとっても、悪い話ではないと考えての接触ではないか」

 鍋よりも、次期首相候補選びが煮詰まる師走の夜。

週刊新潮 2018年12月27日号掲載

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