他紙は戦々恐々「読売新聞」値上げの特別付録に「元旦大スクープ」説

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 福笑いに羽根つき、凧揚げに餅つき……。お目にかかる機会がめっきり減ってしまった正月の風物詩は数多あるが、「元旦スクープ」もその一つ。

「新聞各社は毎年、元旦の朝刊に向けて数カ月前から“ネタ”を仕込み、スクープを競い合っていたんです」

 そう話すのは、全国紙のとある幹部である。

「反響の大きかったモノでいえば、1995年の元旦に読売新聞が打った“サリン残留物を検出”という大スクープですかね。山梨県上九一色村にあったオウム真理教の施設からサリンを生成した際の残留物質が検出されたと報じたこの記事で、松本サリン事件とオウム真理教との関連が白日の下に晒された。当然、他紙は正月から後追いをするハメになったのです」

 もっとも、そんな華々しいスクープ合戦が元旦の紙面を飾ったのも今は昔。

「最近は特ダネとはいっても内容が地味だったり、ハナから企画モノの記事に逃げてしまったり。各紙、正月早々から世間の話題を攫うような記事はなくなり、私たちも枕を高くして初夢にうつつを抜かすことができるようになった。ところが、今年は読売新聞界隈が何だかキナ臭いんですよ」

 読売新聞と言えば、先日、購読料を来年1月から月額4400円に値上げすると発表したばかり。

「なんでも、読売が値上げするのは25年ぶりで、上層部は読者離れが起きるのではと気が気でない。そこで、元旦の朝刊に超弩級のスクープを仕込んで、読者の心を繋ぎ止める魂胆らしい、なんて噂が実(まこと)しやかに囁かれているんです」

 一体、どんな“スクープ”に怯えているというのか。

「横田めぐみさんの生存情報とか、新元号すっぱ抜きとか、そんなことをやられたら、私たちはお終いですよ……」

 すっかりハードルを上げられてしまった読売新聞。他紙を縮み上がらせるような“スクープ”が楽しみだ。

週刊新潮 2018年12月27日号掲載

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