“革命”忘れた共産党? 「亀井静香」対談に見る「志位和夫」の焦り

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 歌を忘れたカナリアは、……月夜の海に浮かべれば、忘れた歌を思い出す――。

 もっとも、革命を忘れた共産党の運命はそう容易くはないようで……。

 11月22日発売の「月刊日本」12月号で披露された日本共産党の志位和夫委員長と元衆議院議員の亀井静香氏の対談が永田町で話題を呼んでいるという。

「是が非でも野党共闘を実現せよ」と銘打たれたこの特集。〈私は昔から共産党に興味があって〉という亀井氏と、反市場原理主義や日米安保反対などいくつも一致点を見出した志位サンだったが、途中、

〈亀井さんは「マルクス・レーニン主義」とおっしゃったけど、いまはそんな言葉は使っていません〉

〈私たちの綱領には天皇条項を含めて憲法を厳格に守るとあります。天皇の制度とはかなり長期にわたって共存していく〉

 と“革命”とは程遠い、かなり踏み込んだ発言も。一体、何があったのか。

「共産党は、来る参院選での野党共闘に向けて、焦っているんですよ」

 と政治部記者。過去2回の国政選挙でも野党共闘は行われたが、

「野党の共産党アレルギーから、過去2回の選挙では政党間に『市民連合』という市民団体を噛ませ、あくまでも市民との共闘という形を取ってきた。それが共産党には不満なんです」

 さらに、

「これまでは共産党が一方的に候補者擁立を見送った経緯があり、今のままでは、自分たちの票が他党に流れるだけに終わるという危機感もある。次こそは、まやかしの候補者調整ではなく対等な共闘をしなければと、共産党色を薄める戦略を決意したのです」

 共産党の“脱共産党”にかかっている野党共闘。議席を増やした暁には、再び“革命”を思い出すのだろうか。

週刊新潮 2018年12月13日号掲載

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