「アパート経営」融資で金融庁から睨まれる「西日本シティ銀行」

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 事件の被害者が、犯人の共犯者だった――。小説やテレビのなかではよくある設定だ。実は、アパートなど投資用不動産販売会社のシノケングループとメインバンクの西日本シティ銀行も、“共謀”関係にあるのではないかとの疑念が強まりつつある。

 本誌(「週刊新潮」)」はこれまで3回に亘り、シノケンの問題を報じてきた。例えば、詐欺罪に抵触する恐れがある融資承認後の値引きや、オーナーに無断で融資申込書類を書き換えたことなどだ。専門家は、“偽りの条件”で融資を引き出された西日本シティ銀行が被害者と指摘していたが、

「西日本シティ銀行がシノケンに抗議したり、訴えるわけがありません」

 こう話すのは、西日本シティ銀行のOBだ。

「うちがシノケンのメインバンクになったのは、それほど昔の話ではありません。ですが、今は特定の企業に共同出資するなど“一心同体”ともいえる仲。それに昨年、入江さんをシノケンの社外取締役に送り込んだほどですからね」

 入江さんとは、西日本シティ銀行の取締役である入江浩幸氏を指す。西日本シティ銀行の現役行員によれば、

「西日本シティ銀行では、一般顧客向けの投資用不動産ローンと、シノケン専用のNCBシノケン提携アパートローンを扱っています。昨年、この二つの商品を開発した融資部の主任調査役は“業績に大きく貢献した”と認められて、頭取から表彰された上に支店長に抜擢されました」

 ちなみに、昨年上期時点で西日本シティ銀行の消費者ローン残高は約2304億円。前期より約235億円増え、“NCBシノケン提携ローン”を主力とした融資商品の増加額が約193億円と全体の82%を占めていた。

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