国内逃亡1カ月で逮捕「55億円地面師事件」主犯 “ソルボンヌ大卒”偽りの履歴書

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〈だまされる人よりも、だます人のほうが、数十倍くるしいさ。地獄に落ちるのだからね〉とは、太宰治の随筆「かすかな声」の一節である。さて、積水ハウスが55億円を騙し取られた事件で11月21日、主犯格の土井淑雄(63)がお縄となった。口八丁で他人のカネを引っ張り続けた「だます人」の偽りの履歴書とは。

 土井の知人はこう明かす。

「虚言癖というかね。呼吸をするようにウソをついていた。しかも、自分でついたウソをそのうち、自分で信じているようなところがあったな……」

 事件の関係者が一斉逮捕されてから1カ月余り。その間、逃亡生活を続けていた土井が、飯倉片町の交差点に近い六本木のマンションでついに逮捕された。

「京都や静岡に潜伏しているという情報もありましたが、逮捕までの2~3週間ほど土井が身を寄せていたのは、長年の知り合いのマンションでした。逮捕当日は、午前8時半過ぎに15名ほどの捜査官が部屋を取り囲んで身柄を確保。その後の取り調べに対して土井は、“言いたいことはありません”と口を噤(つぐ)んでいます」(社会部記者)

 土井は、ひと足先に御用となった内田マイクや、海外逃亡中のカミンスカス(旧姓・小山)操らと共に事件を主導したキーマンで、騙し取ったカネをメンバーに分配したとされる。詐欺容疑で再逮捕される可能性も高い彼の人生は「だます」という言葉を抜きに語れない。先の知人が続ける。

「土井は誰かと会う時に必ず手土産を持参する。しかも、ワインをプレゼントするならつまみのチーズも一緒に贈る気の遣いよう。一緒に食事をしても絶対に自分が払うし、運転手に相手の自宅まで送らせる。端的に言えば“ひとたらし”で、不思議な魅力があるんだ。ただ、相手が“なかなかいい人じゃないか”と思い始めた頃になると、土井は“コイツからいくら引けるか”という計算を始めている。そして、情でほだした相手から100万や1千万を引き出すワケです」

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