執筆37年でついに完結! 宮本輝『流転の海』を私はこう読んだ

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 執筆開始から37年の時を経て、ついに完結した物語がある。宮本輝さんの自伝的大河小説『流転の海』。その最終巻、第9部『野の春』がこのたび刊行された。初巻から数えて9冊にも及ぶ大作に魅せられた各界の7人は、どう読んだのか。独自の視点でその世界を語る。

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 累計230万部のベストセラーである大河小説『流転の海』は、巻を重ねる毎に幸福とはなにか、命とはなにかという問いを、我々に投げかけてきたといえよう。

 物語の主人公は、作者の父をモデルにした豪胆で情に厚い松坂熊吾。...

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