日テレ“3冠王”を阻止したテレ朝 今後の2強対決をデータから読み解く

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 民放の視聴率競争に異変あり――。王者・日本テレビが、2018年10月の月間全日帯(6時~24時)の視聴率で、テレビ朝日に単独トップを明け渡したのだ。

 これによって、日テレが13年12月より防衛してきた、全日帯、G帯(ゴールデンタイム:19~22時)、P帯(プライムタイム:19~23時)の3時間帯すべての視聴率トップである「3冠王」の記録は途切れたことになる。

 かつての王者・フジテレビが日テレに3冠王の座を譲り渡したように、今後はテレ朝が王座につくことになるのか、テレ朝の実力は本物か、長年テレビ制作に携わったプロの目で、メディア遊民氏が読み解く。

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 長く独走を続けた日テレは、18年度上半期から少し陰りを見せていた。テレ朝が、全日帯でジワジワ迫っていたのだ。そして10月の秋改編を経て、両局の地位が全日で逆転した。ただしG帯・P帯・全日帯からなる3冠の中では、まだ一角に過ぎない。それでも長く独走を続けて来た日テレに“待った”をかけたことは歴史的な快挙だ。

 ではテレ朝の実力は、どの程度本物なのか。各種データから分析してみよう。

日本テレビ 3冠陥落!

 同局の月間3冠王は、58カ月連続だった。足掛け5年に及ぶトップで、その月間3冠王の座からの陥落は、歴史的な事件と言えよう。

 日テレにとって最大の敗因は朝の帯番組だ。

 全日帯の平均視聴率で見ると、17年までの両局の差は圧倒的だった。「24時間テレビ」のある8月や、「箱根駅伝」のある1月には、1%以上の差が開き、誰も逆転の可能性を感じていなかった。

 ところが今春くらいから変調が見られるようになった。両局の差は僅差となり、平均視聴率15.2%と「24時間テレビ」が健闘した8月も、両局の差は0.3%ほどしか開かなかった。実は「24時間テレビ」がなければ8月も両局は肩を並べていた可能性がある。翌9月には差がほとんどなくなり、10月、遂にテレ朝が0.1%日テレをかわした。独走記録が遂に途絶えたのである。

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