大塚家具“在庫一掃セール”で売上高アップ、「モルヒネ注射」はもう止められない?

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過去3回の大規模セール

「久美子社長になってから、過去に3回、大規模セールを行ってきました。最初は政権を取った15年4月から5月にかけて、お家騒動のお詫びとして開催した大感謝フェア、いわゆる“お詫びセール”です。この時は、既存店は前年同月比で7割増しを記録し、年間売上高を14億円上方修正したほどの効果を見せました。次は15年末に開催された“売り尽くしセール”でしたが、34万点用意した商品のうち16%しか売り尽くせませんでした。第3弾となるのが現在開催中の、最大80%引きの在庫一掃セールです。この間にもちょくちょく、店舗ごとのセールや、今年6月には創立49年なのに50周年セールなど、セールで食いつなぐというやり方を続けてきたわけです。しかしセールを行うごとに、売上の山が小さくなってきたことは明らか。小売業にとってセールは、一時的には効くモルヒネ注射のようなもので、経営の立て直しにはつながらないのですが、それでもやり続けるしかなかったのでしょう。8割引が全商品ではないとはいえ、いくら安く仕入れても黒字にはならないと思います。それでもやり続けるしかなかったというのが実情でしょうね。多少の現金は入るにせよ、もしセールを止めれば売上は激減するでしょうから。喜んでばかりはいられないはずですよ」(同・事情通)

 大塚家具の現預金は15年12月末時点で109億円あったが、今年(18年)6月末には22億円にまで激減している。それでも久美子社長は、50億円に上る金融機関との融資枠(コミットメントライン)があるから大丈夫、と言い続けてきた。

「巷間では、その50億円のうち40億円は大手都市銀なのですが、どうやら管理区分が変更となり、大塚家具に貸し出しはできなくなったと言われています。そんな中で、11月14日までに第3四半期(9月末まで)の決算発表をしなければならないわけです。それまでに、何らかの再建策をまとめることができるのか。まあ、これまで通り、経営危機を伝える報道に対して、HPで“一部の報道について”のタイトルで、“○○という報道がありましたが、当社が発表したものではございません”“開示すべき事項が決定した場合には、速やかに公表いたします”と繰り返すだけでしょうけどね」

 と言って、この事情通、気になる目撃談を語り出した。

「この期に及んで、まだ社長の座に居座る久美子社長には、もはや感心するしかありません。あ、そういえば、10月24日の夕方、丸の内の大手法律事務所に久美子社長が入っていくのを目撃しました。法律事務所なら会社の実務担当や取締役が行くはず。あれはいったい何の相談だったんでしょうかね。いよいよ重大な決断でもしたのでしょうか」

週刊新潮WEB取材班

2018年11月9日掲載

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