桜田義孝五輪相、「つくばエクスプレス」沿線の土地で“濡れ手で粟の1億4千万円”

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「8両化」実現すれば

 まさしく2年後が思いやられる応酬だが、それはさておき大臣は数年前、あまたの不動産を巨額の現金に換えていたのだった。

「桜田さんの家は代々、地元の柏市であちこちに土地を持っていました。親族や大臣自身の関連会社など、周辺にはそうした建物が多くあります」(事情通)

 2005年8月、このエリアを横切るように「つくばエクスプレス」が開業し、風景は一変する。大臣の自宅は「柏の葉キャンパス駅」からほど近く、周囲の地価も上昇することとなった。地元の不動産業者に聞くと、

「14〜15年前、鉄道会社が土地を買収した時点ですでに坪単価は30万〜40万円で、高くなったと言われていました。それが今では倍近くに。桜田家は前回の東京五輪の前から土地を持っていたのだから、資産価値は大きく跳ね上がったはずです」

 実際に、大臣が14年4月に届け出た「所得等報告書」によれば、土地譲渡売却によって7006万円余りの所得があったとあり、翌15年4月分では、同じく約7158万円の所得が記載されている。自身は労せずして、計1億4千万円超の売却益を手にしていたことになるのだ。

「これに先立ち、桜田さんは13年から翌年にかけ、自身が所有、または親族らと共有していた原野や田、畑や宅地などさまざまな土地、合わせて少なくとも2300平方メートルを立て続けに売却しています」(前出・事情通)

 それらの場所には現在、業者が建売住宅を新築し、新たな住民が居を構えている。付言すればこの業者とは、大臣の二男が勤務する松戸市内の建売会社。あるいは“売買するなら息子の実績に”といった親心が働いたのだろうか。

 こうした売却に違法性は見当たらないものの、

「地元では、口さがない連中が“エクスプレス開業で売り抜けた”などと噂している。実際に売却したのは開業直後ではありませんが、日がたつにつれ、地域生活の利便性は向上し、地価はおのずと上がります。そもそも桜田さんは日頃から、現在6両編成で運行されているつくばエクスプレスの8両化実現や、路線の延伸を熱心に訴えているくらいです」(前出・事情通)

 その主張が実現すれば、さらなる地価上昇を招くことだろう。利潤追求には願ってもないタイミングだが、大臣の事務所に尋ねると、

「あたかも桜田が自己所有地高騰のために筑波エクスプレ(原文ママ)の開通や延伸を進めているような前提ですが、そのような事実はありません」

 慣れ親しんだ鉄道を間違えるとは、よほど慌てたのか。ちなみに、在任中の大規模な政治資金パーティーの自粛を申し合わせている「大臣規範」には、以下のような規定もある。

〈在任期間中は(略)不動産、ゴルフ会員権等の取引を自粛することとする〉

 よもや入閣を察知して“クリアランスセール”に踏み切ったわけではなかろうが、ともあれ次の取引はしばしお預けである。

週刊新潮 2018年11月1日号掲載

特集「『安倍内閣』の時限爆弾」より

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