栄和人元監督語る「許されるなら日本の復権に尽力したい」 パワハラバッシングを振り返る

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伊調の“わがままぶり”

 ともかく、告発者側は五輪4連覇、国民栄誉賞のヒロインを誰も批判できまい、という前提を利用し、馨選手と私が不仲になっていたことで古い話を蒸し返したわけです。

 前人未到の実績を残した馨選手ですが、実はそのわがままぶりが協会を悩ませ続けてきました。

 例を挙げます。07年のアジア選手権で、私は早い段階から彼女の代表入りを決めていました。しかし、姉の千春選手とともに「出ない」と言い出し、困りました。怪我だということでしたが、治療する期間が十分にあったにもかかわらず、すぐに欠場を決めたのです。オリンピックの前年でしたので、ベストメンバーの派遣は上層部からの命令でした。ALSOKの監督にも説得をお願いし、結局、エントリーはしましたが、彼女は故意に不戦敗した。

 翌年の北京五輪の2カ月後に東京で開かれた世界選手権でも、彼女が突然、「出ない」と言い出した。代表は数カ月前に決まっていて、五輪メダリスト全員の出場をテレビ局が売りにしていたので、協会は困り果てました。浜口京子選手や沙保里なども五輪直後で気乗りしなかったでしょうけど、出てくれました。しかし彼女は「出ない」の一点張で、協会幹部が必死に懇願しましたが無視されたのです。

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