“支えてくれた人”はもういない――内田裕也が「もうしゃべらせんなよ」

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 妻・樹木希林の没後初となるイベントは、車椅子での登場だった。10月9日、映画「アンクル・ドリュー」の試写会に現れた内田裕也(78)。去年の夏前に転んで右足甲を骨折し、1カ月入院した。まだ歩くのは辛いようだ。

 映画は、かつて伝説的なバスケ選手だった老人が、年老いた仲間たちを率いてストリートの大会で優勝を目指すというもの。内田は、日本ロック界の“レジェンド”としてPR役に選ばれたようだが、マイクを握ったロックンローラーの声は弱々しかった。

 擦れ声で「ちょっと家族に不幸がありまして」と切り出すと、終始話すのも苦痛な様子で、トークの途中で司会者に「もうしゃべらせんなよ」と求めた。白髪三千丈、愁(うれ)いによりてかくのごとく長し――。自慢の金髪が、詩人の晩年の孤独を詠んだ漢詩を思わせる。

 長年支えてくれた伴侶は、もういない。

週刊新潮 2018年10月25日号掲載

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