余計なお世話「たばこ」警告メッセージ 識者が警告する“社会的イジメ”

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「一服」の語源は、お茶やたばこを呑むことに由来する。古来、紫煙を燻(くゆ)らせるのは、ひとときの清涼剤――の筈(はず)だった。今や自販機で気軽に買えるこの二つを比べると、たばこのパッケージは、人体への害を謳(うた)う警告メッセージが喧(やかま)しい。喫煙者から余計なお世話との声も聞こえてくるが、非喫煙者も明日は我が身。社会的なイジメの連鎖を、識者たちは“警告”する。

〈喫煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます〉

〈喫煙者は脳卒中により死亡する危険性が非喫煙者に比べ約1・7倍高くなります〉

 これらの警告文は、法改正に基づき2005年から、たばこの箱30%以上のスペースを使い明記することが、国によって義務づけられた。

「少なくとも、私や周囲の喫煙者は見ちゃいません。ただ不快になるだけで、抑止力になっていませんね」

 と憤るのは、経済アナリストの森永卓郎氏だ。

「10月1日に、たばこが増税されて値段が上がりましたが、ここ何十年、増税しても税収は思ったより増えていないですし、それで禁煙するという人は少ない。パッケージを変えた上に増税までして、まるで喫煙者を殲滅しようとしているようにしか思えません。最近は喫煙者不採用を高らかに宣言する企業もありますが、特定の宗教を信仰しているから採用しないとなったら“差別だ”と騒ぐのにね。若い世代には、喫煙すれば社会的なイジメの対象になるので、吸わない方がいいと忠告しています」

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