怪我の功名か再起不能か 「大谷翔平」大手術にリスクあり

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神経と癒着

 例えば、ヤクルトの荒木大輔元投手やメジャーでも活躍した大塚晶則元投手などは、トミー・ジョン手術を2回も受けざるを得なかった。

 古島医師が続ける。

「荒木さんが手術を受けた1988年当時、“復帰率”は50%程度。まだ発展途上の段階だったため、1回目の手術では肘の固定が保てず、再断裂した可能性が考えられます。また、大塚さんも2007年のレンジャーズ退団後、連続して手術を受けていましたが、そのリハビリ中、当院に診察を受けに来たことがありました」

 診察の結果、肘の神経と筋肉や脂肪が癒着していたという。

「手術で合併症を起こし、それによってリハビリもうまくいかなかったのではないでしょうか。大塚さんには、“神経剥離術”を施した。でも、年齢の問題もあったかもしれませんが、メジャーでの現役復帰は叶いませんでした」(同)

 つまり、大谷の身に、荒木、大塚両元投手のようなことが起こらないとも限らないのである。

 在米のベースボールジャーナリストが解説する。

「メジャーでも、サイ・ヤング賞を取ったフランク・ヴァイオーラ、シドニー五輪金メダル投手のベン・シーツなどはトミー・ジョン手術を受けても復活できませんでした。大谷は、すでにバッターとして松井秀喜よりも高い評価を得ている。ですから、リスクのある手術を回避し、いまの段階で打者に専念すべきです。大谷ならば、日本人初のホームランキングも夢ではないのですから」

 ベーブ・ルースも「二刀流」は、2シーズンしか続かなかったのだ。

週刊新潮 2018年10月11日号掲載

ワイド特集「秋の夜長の人間喜劇」より

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