怪我の功名か再起不能か 「大谷翔平」大手術にリスクあり

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 その選択は、正しかったのかどうか。ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平(24)が、トミー・ジョン手術を受けることを決断した。しかし、当然のことながら、それにはリスクが伴う。そのため、「二刀流」を早く捨てて、打者に専念すべきだとの声も上がっているのだ。

 ベーブ・ルース以来の「二刀流」として、大谷は鳴り物入りでメジャーデビューを果たした。しかし、シーズン開幕2カ月後の6月初めに、右肘の張りを訴え、故障者リスト入り。自らの血小板を濃縮させた「PRP」なるものを患部に注射し、自然治癒力を高める治療に取り組んだ。その結果、7月3日にまずは打者として復帰。さらに、9月2日には、アストロズ戦のマウンドに立ったものの、3回途中での降板を余儀なくされた。結局、新たな右肘の損傷が見つかり、チームドクターから、トミー・ジョン手術を勧告されることに。

 そして、9月25日、大谷自身が、シーズンオフにその手術を受けることを明らかにしたのである。

 このまま、「二刀流」を続けられるのか。

 これまでに、およそ600件のトミー・ジョン手術を行った古島弘三医師(慶友整形外科病院スポーツ医学センター長)に聞くと、

「どういう手術かというと、前腕から採取した健常な腱を、肘の部分に開けた細い孔から通して、損傷した靭帯を補強するために繋ぎとめるのです。私が執刀した患者の95%が野球選手で、そのうち70%が投手。手術後には、90%以上の選手が再びプレーができるようになりました。しかし、復帰後に再び痛みが出てきてしまうケースも少なからずあります」

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