巨人「由伸監督」辞任で同情論噴出 フロント戦犯説を裏付ける“大型補強”失敗リスト

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A級戦犯は監督ではなくGM

 たとえ未熟な監督でも、天下の読売ジャイアンツだ。選手が育てられないのなら、他チームから獲得してしまえばいい。

 近年はソフトバンクが金満球団の代名詞となってしまったが、まだまだ巨人の資金力は豊富だ。フリーエージェント(FA)や、外国人選手の補強で新人の高橋監督をサポートする必要に迫られていたのは言うまでもない。

 しかし結論から先に言えば、巨人のフロントは逆に、高橋監督の足を引っ張ったのだ。鳴り物入りで入団した“助っ人”選手が、どのような成績に終わったのか、打者編と投手編の2つの表にまとめてみた(現在も巨人に所属する選手の場合、18年の成績は10月7日現在で集計)。

 こうして並べてみると、少なからぬ“助っ人”選手が、前球団で残した成績の半分しか達成できなかったことが見えてくる。

 そもそも出場試合数が激減している。前球団の最終年と比較して、単純に「巨人の出場試合数が増えた」というだけの選手を探してみても、ギャレット、マギー、2年目の山口俊、野上亮磨、テイラー・ヤングマンしかいない。

 おまけに野上とヤングマンは、とてもではないが活躍したとは言い難い。やはり高橋監督の時期、ジャイアンツの選手補強は常に失敗の連続だったのだ。

 事実、巨人側も失敗を認めていると言っていい。というのも、高橋監督の誕生から辞任までに、2人のGMが相次いで退任しているからだ。

 高橋監督の就任は15年の10月だが、それに先立つ5月には堤辰佳氏(53)がGMの要職に就いた。

 読売新聞の運動部長を務めたという経歴や、16年に山口俊、森福允彦、陽岱鋼というFA組を一気にまとめて3人獲得したという剛腕から野球界の注目を集めていた。だが17年5月から6月にかけて、球団ワーストを更新する13連敗を喫したことなどから退任。日経新聞などは「事実上の更迭」(17年6月13日)と報じた。

 そのため17年6月には、巨人での投手経験のある鹿取義隆氏(61)がGMに就任。ところが高橋監督の辞任問題で、スポーツ紙各紙は鹿取GMの退任も報じている。高橋監督に与えられた“台所”が非常に苦しかったことを考えると、堤・鹿取の2人のGMが“A級戦犯”と言われても仕方あるまい。

 メディアの多くは次期監督には原辰徳氏が返り咲くと報じている。だが、巨人の優勝に必要なのは、監督が主に担当する戦術面の強化ではない。むしろ選手の育成や獲得という、GMが先陣を切って行うべき戦略面の建て直しだ。巨人ファンは原“新”監督の動きより、次のGMが誰になるかを注目すべきだろう。

週刊新潮WEB取材班

2018年10月8日掲載

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