狙うは“34万浮動票” 「沖縄知事選」の泥仕合クライマックス

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 選挙に品位を求める方が間違っているのかもしれないが……。泥仕合もクライマックスを迎えたのは9月30日に投開票が行われる沖縄県知事選である。

 地元紙記者によれば、

「中盤の情勢調査では玉城(たまき)デニーが優勢と出ていましたが、佐喜眞淳(さきまあつし)の方も組織票をがっちり押さえ、今回ばかりは本当に最後まで分からない。終盤は有権者の3割に当たる34万票の浮動票の取り合いになるでしょう」

 両者の戦いぶりを振り返ってみれば、

「選挙の前半戦、佐喜眞陣営が軸に据えたのは、公明党の組織票固め。平和主義がモットーの創価学会員を刺激しないよう、米軍基地の話題には極力触れず、デニー氏の過去の違法献金や、辺野古にある師匠小沢一郎氏の別荘を持ち出して“デニーはゆくさー(ウソつき)”とか“わじわじー(腹立たしい)”と、地元方言のビラを支援者に回して票固めに励んでいましたね」(同)

 もっとも、学会が鉄の結束を誇ったのも今は昔。

「やはり、辺野古移設を容認する佐喜眞氏に否定的な人は多く、デニー氏の集会に三色旗をもって参加する学会員が増え始めた。焦った陣営は『台風24号が投票日に沖縄を直撃すると予想されます。“当日は投票どころじゃないよ”と期日前投票を推進してください』などと組織票が反対陣営に流れないよう形振(なりふ)り構わぬ攻勢を仕掛けている」(同)

 一方のデニー陣営も負けていない。別の記者曰く、

「公選法に抵触しないよう、候補者の名前が書かれていないチラシが撒かれたことも。“前国会議員”“前宜野湾市長”と明らかに本人たちを特定する呼称で、佐喜眞氏を“上から目線”“政権寄り”と罵り、デニー氏への投票を呼び掛けていました」

 もちろん、自民党の力の入れようも凄まじく、

「現地の選対本部には菅官房長官の腹心の秘書や選挙の神様と呼ばれたベテラン職員が常駐し指示を出している。ただ、毎日、大して有名でもない国会議員がアリバイ作りで沖縄入りするため、その対応で選対は疲弊しきっていますよ」

 決戦は日曜日である。

週刊新潮 2018年10月4日号掲載

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