在籍猫の12%が命を落とした「猫カフェ」最大手の虐待 ウイルス蔓延の実態を元社員が告発

国内 社会 週刊新潮 2018年10月4号掲載

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 いまは空前の「猫ブーム」。ペットフード協会の調べでは、昨年、猫の飼育数が犬のそれを初めて上回ったという。そこに便乗したビジネスも少なくなく、たとえば猫カフェもそのひとつだが、その最大手では猫が日常的に虐待されていた。

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 虐待の舞台となっているのは、2015年に開店した池袋西口店を皮切りとして、東京や名古屋、京都などで13店舗の猫カフェを展開している「モカ」。テレビ番組でも頻繁に取り上げられたほか、AKB48のメンバーも訪問の様子をSNSにアップするなど、猫好きの間では知られた存在である。

 そんな「モカ」を運営するケイアイコーポレーションが、関東の全店を臨時休業すると発表したのは先月のことだった。きっかけは、内部の人間とおぼしき人物による〈猫パルボウイルスがまん延していて、4日間で4匹死んだ〉〈他の猫も感染している疑いがあるのに、社長が営業を中止してくれず〉といったSNSへの投稿だった。

 糞便や吐瀉物を介して感染するパルボウイルスの感染力は強く、致死率はじつに約95%。多くは3、4日で命を落とすという。人には感染しないものの、糞便が付着した人の手を介してほかの猫にうつる可能性はあり、パルボが出たのに休業しなかったのは非常に危険――と解説するのは、れいこスペイクリニックの竹中玲子獣医師である。ただし、

「ワクチンさえ打っていれば、基本的には防げるので、“昔の病気”というイメージです」

 昔の病気のはずのパルボが、なぜ「モカ」で蔓延したのか。最近まで勤務していた元社員は、“実際はこれまでもパルボの感染はあったが、会社は公表してこなかった”と明かす。

「ワクチンは生後2カ月で1回目、その2、3週間後に2回目を打ち、その後は体に馴染ませるために最低1週間休ませます。ところが、モカでは1回目のすぐあとに2回目を打ったり、2回目を打った翌日に店舗に出してしまったりするので、ワクチンが効果を発揮しない」

 休憩もなしで10時間ぶっ通しで働かされる猫たちの“労働環境”、あるいはカフェで開催されるアイドルやバンドのライブの大音量によるストレス要因も、この元社員は指摘する。

パルボ以外の病気も頻発する「モカ」では、週刊新潮が入手した内部資料によるとこれまでに計50匹の猫が命を落としている。

「3年半ほどの間にモカに在籍した猫は420匹前後。その12%が死んでしまったのです」(別の元従業員)

 週刊新潮の取材に「モカ」は、

「一般的に行われているパルボウイルス対策はすべて実施しておりました。それでも今回のことが起きてしまい、感染力の強さを痛感しております」

 と他人事のような回答。9月27日発売の週刊新潮では、収容所での苦役のような虐待の実態を報じる。