“安倍が嫌だ”で「石破!石破!石破!」の滑稽(KAZUYA)

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 いわゆるガクトコインの件もあり、野田聖子氏が脱落。自民党総裁選は安倍晋三総理vs石破茂氏で戦いが進みます。

 今後の日本の舵取りという点で重要なのですが、安倍総理が圧倒的に有利です。

 しかし、やはり対抗馬としての石破氏に注目が集まります。防衛庁長官時代、ネットでは「いしばしげるちょうかん」とタイピングすると「石橋ゲル長官」と誤変換されることが多かったことから、「ゲル長官」と呼ばれていたのが印象的です。

 石破氏は総裁選に向けて特設ページを設け、47都道府県それぞれに向けた動画を公開するなど意欲が見られます。

 スローガンは「正直、公正、石破茂」。こんなスローガンを掲げるなんて安倍総理が正直で公正ではないみたいじゃないかとの声もあり、変える、変えないで若干ぶれましたが、まぁいいでしょう。しかし「正直、公正」と書いている割に、経歴については疑問符がつきます。

 石破氏は現在でこそ自民党の重鎮のような扱いですが、細川内閣が出来て自民党が野党に転落すると、党の方針に反する行動をとって役職停止処分の後、自民党を離党。その後は新進党に参加するも小沢一郎氏との方向性の違いから離党、自民党に復党して大臣になるも麻生内閣では閣内にありながら麻生おろしに加担。肝心な時、党が厳しい時に裏切るという、ある意味実績があるのです。その石破氏が日本の舵取りをする場合、内政、外交など厳しい場面で一体どうするのか、とても心配になります。

 石破氏の公式サイトのプロフィールを見ると、自民党離党から渡り歩いた会派や党が一切書かれていません。正直、公正というのも怪しい。

 それでも反安倍界隈からは大人気のようで、作家の室井佑月氏は週刊朝日のコラムで石破氏を応援すると書いています。タイトルが「石破! 石破! 石破!」。笑わせに来ているのか、これで石破支持にまわる人はいないでしょう。逆の意味での応援になってしまっています。

 反安倍の過激な人になると「安倍がとにかく嫌だ」という行動原理しかなく、今石破氏を応援しているのも「石破氏が自民党総裁にふさわしいから」ではなく「安倍がとにかく嫌だから」でしかありません。石破氏が何をやろうとしているのか、どういう人物なのかよりも。

 石破氏は憲法9条2項を削除しろという立場ですから、むしろ反安倍のテンプレートで考えると、安倍総理の改憲よりもっとヤバイ人なのではないかとすら思いますが、安倍憎しがそれを上回っているのが滑稽です。

 現状の世界情勢も考えると、長期政権で着実に各国首脳とパイプを作ってきた安倍総理の続投が現実的なのだろうと思います。というより個人的には石破氏が総理大臣になるという姿が想像できないのです。例えばG7のような各国首脳が一堂に会す場面、ドイツのメルケル首相がお馴染みのひし形のハンドサインをする横で笑う石破氏……いや、想像できない!

 間もなく投票の自民党総裁選。安倍総理が余裕の続投か、それとも番狂わせが起こるのか、注目です。

KAZUYA
1988年生まれ、北海道出身。12年、YouTubeで「KAZUYA Channel」を開設し、政治や安全保障に関する話題をほぼ毎日投稿。チャンネル登録者40万人、総視聴数は1億4千万回を超える。近著に『日本人が知っておくべき「日本国憲法」の話』(KKベストセラーズ)

週刊新潮 2018年9月20日号掲載

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