“桐生の後塵”から脱却 アジア大会200m金「小池祐貴」

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 アジア大会が閉幕した。

 スポーツ界にとってはオリンピックに次ぐ4年に1度の祭典だが、毎度のことながらどうにも盛り上がらない。記憶に残ったのは、6つの金メダルを獲得して大会MVPに輝いた「池江璃花子」と、買春騒動を起こした「男子バスケ」くらいではなかろうか。

「いえいえ、日本は中国に次ぐ金メダル75個を獲得。東京五輪に向けて上々の成果と言えるでしょう」

 と現地で取材したスポーツ紙記者が語る。

「なかでも最もブレイクしたといえるのが、陸上200メートルで金メダルを獲得した小池祐貴(23)です」

 聞き慣れない名前だが、それもそのはず。昨季日本人初の100メートル9秒台を達成した桐生祥秀と同学年の小池は、これまで常に桐生の後塵を拝していた。

「今春、大学を卒(お)えたのですが、なかなか就職先が見つからなかったそうです」

 慶大出身だからそれなりに就職できそうなものだが、

「社会人で競技を続けるには実業団チームに入らないといけませんが、手を挙げた実業団は皆無。やむなくJOCのアスリート就職支援制度『アスナビ』に頼り、なんとかANAに就職できたのだそうです」

 ちなみに、実業団から引く手あまただった桐生は、それらを袖にして、陸上部のない日本生命へ。事実上のプロ選手になっている。

 だが、そんな桐生も“アジア大会V”は未経験。桐生のみならず、リオ五輪銀の400メートルリレーメンバーの山縣、飯塚、ケンブリッジのいずれもが、意外にもアジアを制したことがない。

「当然、小池もリレーメンバーに名乗りを上げた格好になります。既に7月の欧州遠征では、故障した山縣に代わって1走を任され、いい走りを見せています」

 アジア大会は忘れても、“小池祐貴”はお忘れなく。

週刊新潮 2018年9月13日号掲載

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