投資ファンドからも三行半「大塚家具」久美子社長 “イケア路線”の失敗

企業・業界週刊新潮 2018年9月6日号掲載

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異なるビジネスモデル

 親子喧嘩の果てに、久美子社長が、創業者で父親の勝久前会長を追い出してから3年半。なぜ、ここまで傾いてしまったのか。

 大塚家具関係者によれば、

「3年前には580億円だった売上高が、いまは380億円に急落しました。最大の原因は、ニトリやイケアなどの低、中価格帯にシフトしたからです。でも、ニトリやイケアは自社で商品の製造もしている。一方、大塚家具は家具メーカーから仕入れ、賃料の高い駅前の店舗で売ってきました。そもそも、ビジネスモデルが異なるのに、久美子社長はそこに参入しようとしたわけです」

 しかも、打つ手打つ手が、悉(ことごと)く空振りに終わったという。

「大々的に安売りセールを行ったことで、消費者は底値でしか買わなくなりました。普通、小売り業はサービスや付加価値でブランド力をアップさせ、高値でも商品が売れることを目指すもの。大塚家具にとって、安売りセールはイメージダウン以外の何ものでもなかった。また、アウトレットと中古品を正規品と並べて売り出したのも失敗です。正規品が見向きもされなくなりましたから」(同)

 挙げ句、久美子社長はにっちもさっちも行かない状況に追い詰められた。

「親子喧嘩のときに、久美子社長を支持した米投資ファンドの“ブランデス”も6・41%の保有株全部を売却しました。復活はないと見限られたわけです。今後、企業としての魅力のない大塚家具に、買い手が現れるかどうかも望み薄。一方、銀行団から50億円の融資枠を確保していますが、業績が良くなければ貸して貰えない。結局、仕入れができなくなって、倒産が現実味を帯びてくるのです」(同)

 大塚家具のかぐや姫に、救いの手を差し伸べる“使者”は見つからないか。

ワイド特集「人生の収支決算」より

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