猫には禁止でも犬ならOK? EUで使用制限の「保湿剤」が日本では野放しに… 愛猫・愛犬が食べてはいけない「ペットフード」実名リスト

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“ちょっとどうかな”

 実はこの疑問、単なる素人考えではない。

 実は、EUにおいては、このプロピレングリコールは、犬についても使用の上限値がしっかりと定められているのだ。すなわち、犬への危険性も認識しているわけである。

 なぜ日本では、ドッグフードについてこれが野放しとなったのか。

 ここに、ある議事録がある。「安全法」の制定時、農水省と環境省は、傘下の部会や委員会の合同会議を設置し、ペットフードの添加物の安全性、危険性などを審議。それに基づき、使用制限を設定したが、その中で、あるメンバーが農水省の役人にこう質問しているのだ。

「プロピレングリコールについては、猫用はやめるということなんですけれども、犬用は使っていいということですね。適正量を使えとか、そういうことにはならないのかなとちょっと思ったんですけれども」

 これに対して、役人の答えはこうだ。

「諸外国の基準は、EUが犬用が5万3千ppmなんです。我々も犬用をどうしようかなと思ったんですが、ちょっとこの数字、安全基準として設定するのはどうかなと」

 いかがだろうか。

 EUでの設定を「ちょっとどうかな」の一言で退けて、異議の声も上がらない。が、この決定によって、日本の犬は、EUでは認められていない濃度のプロピレングリコールを口にする可能性もあるのだから、かくも簡単に決められてしまって良かったのか。より疑念が募るのである。

 これらの商品を販売する各社に見解を聞いたところ、

「すべて、日本の法令に則って開発、製造、販売を行っております」(マース ジャパン リミテッド)

 他の社も同主旨の回答であった。

「これらが商品に含まれるかどうかは、商品の裏の『原材料名』欄を見れば簡単にわかります」(堺氏)

 愛犬、愛猫も家族の一員という意識を持つのならば、是非とも、製品をレジに持っていく前に、この“点検”を習慣化させたいものである。

(5)へつづく

週刊新潮 2018年8月16・23日号掲載

特集「危ない実名リスト! 第2弾 『愛猫』『愛犬』が食べてはいけない『ペットフード』」より

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