奇想迷走の「半分、青い。」 “トリ”は小西真奈美

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 終盤に入っても視聴率20%超えを維持するNHK連続テレビ小説「半分、青い。」。好調な要因は、北川悦吏子(えりこ)氏の脚本の“奇想”にある。

 主人公・鈴愛(すずめ)(永野芽郁〈めい〉)が胎児の状態から始まり、漫画家を目指していたのに急に挫折し100円ショップで働いたり、とにかく目まぐるしい。トヨエツこと豊川悦司ばかりか、壁ドンの斎藤工が“期間限定”で登場し、物語を動かしていく。

 かと思えば、鈴愛の弟が“10歳年上の柳ケ瀬のバーの女”に首ったけというエピソードが、しばらく後のナレーションで“あれはなかった”ことになったり、“奔放”というか“迷走”というか、賑やかだ。

 そして最終パート。8月30日からは、小西真奈美(39)の出番。いわば“トリ”だ。

 小西はお笑い芸人の有田哲平演じる実業家の妹で、自分の大好きな緑色の商品だけを開発し販売する会社を1人で営む「加藤恵子」役。髪の色から身に纏うものまで全て緑ずくめだ。

 脚本家の北川氏が小西を想定し“当て書き”したとされるこのキャラクター、また鈴愛が発明家を目指す最後のストーリー、実はこれらにはモデルとなった“ある人物”の存在があるようだ。

 その人物とは新進家電メーカー「バルミューダ」の社長、寺尾玄氏45歳。2003年に創業し、自然に近い風を生みだす扇風機や、スチームを加えパンを焼くトースター等、斬新な発想の家電を次々発明し、今では年商55億円を誇る人物である。

 寺尾氏本人が証言する。

「一昨年の秋頃、北川さんより連絡があり、私が行ってきた商品開発や会社が立ち行くまでの経緯を今回のドラマの参考にさせて欲しいとお話がありました。昨年上梓した『行こう、どこにもなかった方法で』(新潮社)を大いに参考にしていただいたようです。この後、鈴愛はある家電製品を発明するのですが、その製品の原案者としても協力させていただいています」

 奇想、迷走の大団円――あとひと月、目が離せない。

週刊新潮 2018年9月6日号掲載

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