醤油は凍らない!? 鳥肌は顔と足首にはできない!?  女子中学生の不思議の大発見が面白い! 大人にも役立つ“自由研究”の中身とは

ライフ2018年8月24日掲載

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 夏休みも残り僅か。今年も夏の風物詩NHKラジオ「子ども科学電話相談」には子どもたちからたくさんの疑問が寄せられた。「世界は朝から始まったの?」「太陽は何色ですか?」「虫にも脳みそはありますか?」「なぜ恥ずかしいと顔が赤くなるの?」……様々な角度から、子どもならではの目から鱗が落ちるような質問が繰り出され、それを聞いた大人たちは「こんな質問なかなか思いつかない」と唸ったり、「心洗われる」などと感動したりしている。子どもの発想は本当に面白い。

 さて、そんな子どもの夏休みに付き物なのが「自由研究」だ。ここである学校の生徒たちが行った「自由すぎる自由研究」をみてみよう。(以下「 」内『女子中学生の小さな大発見』より抜粋、引用)

「Mさんは寒いとき、鳥肌がどこにできるか観察しました。顔と足首にはできません」
「Kさんはいろんなものを凍らせてみました。砂糖水、オレンジジュース、牛乳は凍り、塩水はもうちょっと、醤油は全く凍りませんでした」
「Yさんの実験によると、ゴキブリは制汗スプレーには強いけど、ガラスマイペットには弱いそうです」
「Sさんがミカンを電子レンジであたためてみたら1分後に破裂してしまいました。汚れたのでお母さんに見つからないようにふきました」
「Mさんは温泉のお湯2リットルを煮詰めて温泉に溶けている物質を取り出しました。ほとんど塩だったみたいです」
「Eさんはシラスの数を数えました。10gだけでも193匹いました」
「Sさんは重さ・大きさの違うボールを2階から落としてみましたが、どれも落ちる速さは同じでした」

 宿題として出される「自由研究」は算数のドリルや漢字のドリルと違い、何をテーマにするのか、どういう実験を行うのか、自分で一から考えなくてはいけない。しかも先生に褒められるのは教科書の内容に沿っているような模範的な研究ばかり。

 そんな自由という名の、あんまり自由を感じられない宿題に困った過去を持つ人は、もしかしたらそれがトラウマで、理科やら実験やら観察やら研究やらと聞くだけでサッと拒絶反応を起こすようになった、なんてこともあるかもしれない。

「ほんとうは理科って面白い」、そう言うのは静岡雙葉高等学校・中学校で45年にわたって中学生に理科を教え続け、昨年3月に退職した清邦彦さん(71)だ。清さんは、生徒たちに理科の面白さをわかってもらうため、月に1度の宿題「ミニ自由研究」を始めた。この課題を与えられた当初は、どんな研究をすればよいのかと戸惑っていた生徒たちだったが、回を重ねるごとに女子中学生らしい等身大の研究が増えてきたという。そんな彼女たちの自由研究をまとめた『女子中学生の小さな大発見』には、彼女たちが発見したさまざまな「不思議」がぎっしりと並んでいる。清さんは、「大人が気づかないような着眼、発想、推論があって感心する」と褒める。

 彼女たちの研究の中には、「間違っているものもあるし、何のためにやっているのかわからないものも含まれている」と清さんは前置きしつつ、それでも「今ごろの中学生とか女子中高生というといろいろあるけど、なかなか捨てたもんじゃない、いいものを持っているじゃあないか、と感じてくだされば、と思う」と子どもたち本来の自由さを皆に知ってほしいと述べる。

 そして「予想どおりにならなかったのは、失敗ではなく成功です。何も変わらなかったのは、『変わらない』ことを発見したのです。本と同じ結果にならなくても、それは気づかないところで条件が違っていたからであって、自分のやったことも正しい結果です。たまに本が間違っていることだってあります。考え方がおかしいと言われても、『自分はそう考えた』というのは正しい事実です」と子どもたちにエールを送っている。

 大人になった今、「自由研究」という宿題はもちろん与えられていないけれど、女子中学生たちのように、些細なことにも「なぜだろう」と疑問を持ってみると、今よりもちょっとだけ楽しい生活が待っているかもしれない。

デイリー新潮編集部