今は“実業家と政治家” 「桑田真澄」と「バース」レジェンドの2ショット

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 かつて甲子園を沸かせた2人の邂逅(かいこう)だ。年に1度、伝説のプレーヤーたちが“夢の球宴”を果たすサントリードリームマッチが開かれた7月30日。試合前の夕方、東京ドームのグラウンドに桑田真澄投手が現れた。たちまちファンに囲まれ、写真撮影やサインなどのファンサービスに大忙しだ。

 そんな桑田の背後からこっそり近づき、肩を叩いて驚かせたのは“神様・仏様・バース様”その人だ。1983年から5年間、阪神タイガースでプレーしたレジェンド、ランディ・バースである。周囲にいるファンから歓声が上がったのもむべなるかな。2人は英語で挨拶を交わし、固く握手。バースは桑田のユニフォームに描かれた「Heroes」の文字を指さして軽口を叩き、ご機嫌に笑いながら去っていった。

 バースが阪神を初の日本一に導いたのは85年。桑田は同じ年のドラフトで巨人の1位指名を受けて球界入りした。その後、帰国したバースは2001年に郷里の市議選に出馬して当選。現在はオクラホマ州の上院議員となり、4選中なのである。一方の桑田は現役時代から“投げる不動産屋”の異名をとっていた。政治と実業、球界出身者として異な取り合わせとなったのだ。

 今シーズンの巨人はエース菅野智之など投手陣が不調。阪神も4番打者の最有力候補だったロサリオが2軍に降格するなど、いずれも低迷している。嗚呼、桑田やバースがいてくれたら――。昔日をしのぶファンから、こんなため息が聞こえてくる。

週刊新潮 2018年8月9日号掲載

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